Leaf KYOTO 地元情報誌Leafがお届け!

FOLLOW US

2023.6.15
  • LINE
  • FaceBook
  • twitter
望月酒造の外観

甲賀の[望月酒造]を訪ねてみた/滋賀・びわ湖の酒蔵を訪ねる

日本一の湖・琵琶湖を中心に平野部が広がり、その周りの山々からの伏流水が今でも多くの酒蔵の仕込み水となっている滋賀。個性豊かな酒蔵と日本酒造りへの思いに注目する。第11回目は、飯米を使い、そしてできるだけ磨かずに米を味わう酒を造り続ける、甲賀市甲賀町にある[望月酒造]をたずねた。

1.この土地ならではの水と米が醸す寿々兜

広々とした田園風景を進んだ先にある山の谷間の集落。甲賀市毛枚(もびら)地区で、江戸時代、寛政年間(1789〜1801年)から酒造りを続けるのが[望月酒造]だ。

「年季が入ってるでしょう」と話しながら十一代目当主の望月大輝さんが蔵を案内してくれた。建物と建物を繋げたり、建て増ししたりと、先人たちが工夫して使い続けてきた空間だ。力強く建物を支える梁や柱、むき出しの土壁、そして張り巡らされた電気配線を目にすれば、脈々と受け継がれてきた酒造りに想いを馳せることができる。「いつ建てた建物かは分からないけれど、100年は経っていそうです。そう広くはないので、大きな機械は置けませんから、ほとんど手作業で造っています」と大輝さん。

望月酒造の蔵の中

鈴鹿山系の地下水と、かつて琵琶湖の湖底だったことに由来する粘土質の土地、“ずりんこ”が育む滋賀県産の米。この二つが[望月酒造]の寿々兜(すずかぶと)には欠かせない。なかでもコンセプトに「米の味がする酒」を掲げるほど、米にはこだわりがあり「寿々兜の味わいの柱は米。うちは主に日本晴という飯米を使っています。それもあまり磨かずに。磨いても60%です。ほとんど磨いてない80%の酒もあります」。米を磨けば磨くほど、酒の味わいはすっきりとする。それを敢えてせずに、できるだけ米を残し、その風味を楽しむ酒を追求しているのだ。さらには日本晴を掛け米(醪となる米)に、麹米に酒造好適米の吟吹雪をと二種類の米を使った酒もある。「日本晴の味わいに、吟吹雪の特徴が加わって、ほかの酒とは少し違った味わいが出ますよ」。

望月酒造の十一代目の背中

2.50年支えてくれたベテラン杜氏の引退が契機

大輝さんが酒造りに本格的に携わるようになったのは2013(平成25)年。それまでは50年以上、毎年来ていた能登杜氏がいた。酒蔵を転々とする杜氏が多いなか、珍しいことだ。
「父が子どもの頃から来てくれていた人で、ずっと望月酒造一筋。職人肌だけどとても気さくな方。僕もおやじさんって呼んでいたくらい」。

望月酒造十一代目の望月さん

昔は、酒を仕込む時期になると、杜氏が何十人も蔵人を連れてきて、蔵に寝泊まりしながら酒を造っていた。高校を卒業して家業を手伝うようになった大輝さんにとって、杜氏はまるで家族のような付き合いをしてきた酒造りの師だ。だから高齢化を理由に引退を告げられたとき、別の杜氏を新たに依頼することは考えにくかった。大輝さんの父・長裕さんは蔵元杜氏として酒造りを続ける道を選んだのだ。
「ちょうどその頃、滋賀でも蔵元が杜氏となるケースが増えてきていましたし、新しい杜氏に来てもらって新しい酒を造るより、自分たちの酒を造ろうと父と話し合いました」。
そうして父と二人で仕込んだ最初の酒が、今までで最も印象深い酒だと大輝さんは語る。「杜氏が培ってきたものがありますから、『味がコロッと変わった』と周りに言われるのが怖かった。まったく変わらないということはないんです、作り手の癖がありますから。それはそれで良いと思ってやってるんですが、やはり周囲の反応は気になりましたね」と振り返る。

3.父の急逝を乗り越えて食中酒にこだわる酒造り

そしてもう一年、忘れられない年がある。
2020(令和2)年、酒造りが始まる直前に父・長裕さんが急逝してしまう。
その年は酒造りを断念することも頭をよぎったが、大輝さんは「この蔵で造りたい」と酒を造ることを決意した。

望月酒造の蔵の中

「父が亡くなったのは、すでに米も届いている時期でした。他のお蔵さんで造ってもらうこともできたかもしれないけれど、この蔵での伝統を絶やしたくないと強く思って。家族に手伝ってもらい、なんとか酒が完成したときは、本当に肩の荷が下りたとほっとしました。美味しいか美味しくないかというよりも、出来て良かったというのが率直な気持ちでした」。

望月酒造の店内

大輝さんが蔵を受け継いで3年。長裕さんの路線を継承しながら、自分のカラーも出していく。
「食事をしながら酒の芳醇さや甘みを楽しんでもらえる食中酒がうちのメイン。このコンセプトは変えないけれど、もう少しバリエーションを増やしてもいいかなと思っています」。父に相談できないもどかしさや不安はある。だが、それを乗り越えて生まれる大輝さんの酒が、200年以上続くこの蔵に新しい歴史を刻んでいく。

望月酒造十一代目の望月さん

望月大輝(ひろき)さん/[望月酒造]の十一代目蔵元。現在32歳。高校卒業後に家業に入り、当時来ていた能登杜氏のもとで酒造りを学んだ他、滋賀県内の酒蔵で修業も重ねた。3年前に父が亡くなり、代表取締役となる

4.一度は飲みたい[望月酒造]のお酒コレクション

望月酒造の寿々兜 特別純米

寿々兜 特別純米 720ml 1430円/麹米に吟吹雪、掛米に日本晴を使用。日本晴の飯米らしい味わいが際立っている酒は冷がおすすめ。通年販売

望月酒造の寿々兜 辛口純米

寿々兜 辛口純米 720ml 1430円/精米歩合80%の吟吹雪を使用。米の味がより強く感じられる、クラシックな味わいは常温か燗がおすすめ。通年販売

望月酒造の寿々兜 純米原酒 にごり酒

寿々兜 純米原酒 にごり酒 720ml 1540円/日本晴の醪がたっぷり入った原酒をあらごしした酒。濃厚な米の風味を実感できる。数量限定

望月酒造の寿々兜 純米吟醸

寿々兜 純米吟醸 720ml 1650円/精米歩合60%の吟吹雪を使用。寿々兜のラインナップでは比較的さらりと飲めるタイプ、飲み方は冷で。通年販売

望月酒造の寿々兜 熟成三年古酒

寿々兜 熟成三年古酒 720ml 1980円/加熱処理していない生酒の古酒はロックか冷で。熟成するにつれて甘さが増し、独特の香りも楽しめる。通年販売

5.[望月酒造]のお酒が買えるところ

■滋賀県
[小川酒店]077-524-2203/滋賀県大津市浜大津2丁目1-31
[加藤酒店]077-522-4546/滋賀県大津市木下町13-1
[ひのや酒店] 0748-66-0092/滋賀県甲賀市土山町北土山2192-1
[マスヤ酒店]0748-86-2168/甲賀市甲南町深川2071

6.[望月酒造]のお酒が飲めるところ

■滋賀県
[直] 077-572-9711/滋賀県大津市末広町3-1
[ノミビョウタン] 077-525-0608/滋賀県大津市竜が丘3-7
[すしとさけ 手水や] 077-572-7838/滋賀県大津市京町1丁目3-36
[HANABI] 077-535-8042/滋賀県大津市中央1丁目9-29

7.望月さんおすすめ!ご近所の美味しいアテ①[寿司一休]

寿司一休のかんぴょう巻き

水口かんぴょう巻き440円は事前予約がベター。寿司飯には、冷めても美味しい滋賀産の日本晴を使用している

寿司一休の棒さば寿司

棒さば寿司2160円は事前予約がベター。鯖を締めすぎていないので酸っぱくなく、鯖寿司が苦手な人でも食べられるそう。一つ食べたら箸が止まらなくなる美味しさ

寿司一休

  • すしいっきゅう
  • 甲賀市甲賀町小佐治3016-3
  • 11:30〜16:00
    17:00〜22:00(LO21:30)
  • Tel.0748-88-4076

8.望月さんおすすめ! ご近所の美味しいアテ②[甲賀もち工房]

甲賀もち工房のよもぎ餅

よもぎ餅(2個入り)300円は、新芽だけを手摘みしたヨモギを使用し、[水口製餡]の餡をたっぷり包んでいる

甲賀もち工房の手作りあられ

手作りあられ220円

甲賀もち工房

  • こうがもちこうぼう
  • 滋賀県甲賀市甲賀町小佐治2121-1
  • JR「寺庄駅」から車で8分
    新名神高速道路「甲南IC」から車で14分
  • Tel.0748-88-5841

9.[望月酒造]の店舗情報

望月酒造

望月酒造

  • もちづきしゅぞう
  • 滋賀県甲賀市甲賀町毛枚1158
  • JR「油日駅」から徒歩14分
    新名神高速道路「甲南IC」から車で12分
  • Tel.0748・88・2020
  • 9:00~19:00
  • 不定休
  • 駐車場5台
  • PHOTO/高見尊裕、TEXT/瓜生朋美
※予告なく記載されている事項が変更されることがありますので、予めご了承ください。
※本サイトは自動翻訳を導入しているため、翻訳文によって本来の日本語の内容と異なる場合があります。

あわせて読みたい

ニュースニュース

特集記事特集記事

注目のイベント注目のイベント

↑

サイト案内