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2021.10.22
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【滋賀の酒蔵を訪ねる②】[浪乃音酒造]/堅田

日本一の湖・琵琶湖を中心に平野部が広がり、その周りの山々からの伏流水が今でも多くの酒蔵の仕込み水となっている滋賀。個性豊かな酒蔵と日本酒造りへの思いに注目する。第2回目は、200年以上続く湖畔の酒蔵、大津市堅田にある[浪乃音酒造]。家族で醸す酒蔵をたずねた。

1.三兄弟の背中を見て、酒蔵を継ぐ決意をした充也さん

「お酒を造っている3人を見ていたら、とても楽しそうにしていて。一緒に造りたいと思ったんです」と語るのは、この秋から酒造りに参加する中井充也さん。滋賀県大津市で200年をこえる歴史を持つ[浪乃音酒造](以下、浪乃音)十代目蔵元・中井孝さんの長男だ。

浪乃音の創業は1805年とされる。「その年に比叡山の僧呂から”浪乃音“という名前をいただいたことが記録に残っているので、1805年を創業としています。おそらくそれ以前から酒造りは行っていたと思います」と孝さん。

浪乃音があるのは、近江八景「堅田の落雁」でも描かれた浮御堂のすぐそば。琵琶湖のさざ波を聞きながら、酒造りをしてきた歴史ある蔵元だ。充也さんが見た“3人”とは、父親の孝さんとその兄弟。浪乃音はここ20年、三兄弟で酒造りに取り組んできた。
「私が跡を継いだ後、有名な能登杜氏・金井泰一さんに1995年から来ていただき、酒造りを一から勉強しました。当時金井杜氏は70歳。ご高齢ということもあり、確実に金井杜氏の知識と技術を受け継ぐため、兄弟3人で、5年で覚えてほしいと言われたのが、3人でするようになったきっかけです。結局7年かかりました」と孝さん。三兄弟で醸す浪乃音の酒は、金井杜氏の教えを受け継いだ、上品な甘みが漂う、すっきりときれいな味わいのお酒だ。その酒造りに今年から参加する充也さんは、「浪乃音にいよいよ入ることになって、今までは楽しみが大きかったけれど、コロナ禍で少し不安もある。これからが踏ん張りどころ」と気を引き締める。

2.日本酒先進県・福島で学んだことを融合

高校卒業後、オーストラリアやニュージーランド、カナダなどで海外生活を経験した充也さん。その後、浪乃音を継ぐべく、福島県河沼郡会津坂下町の酒造会社で4年間修業した。
「福島は日本酒先進県なんです。そこで学ぶことができて本当に良かった。酒造りはもとより、できあがった後の管理も徹底されていました。浪乃音の持ついいところと、福島で学んだこと、その両方を融合させるのが今から楽しみで仕方ない」と抱負を語る。

高校生の時から秋には朝4時半に起きて浪乃音でアルバイトをしていて、酒造りは見ていた充也さんだが、福島に修業へ行き、考えが変わったところも。「実は、修業に行く前は、自分が浪乃音に入って現状維持できたら……くらいの気持ちだったんです。でも福島で酒造りに携わって、酒がしぼれてきたのを見た瞬間、とても嬉しかった。酒造りが楽しい! と感じました」。
福島に行く直前には、海外時代に知り合った千紗さんと結婚。千紗さんも福島の酒販店で働き、将来に備えてくれた。
また、修業前の外国生活での経験も、浪乃音に変化をもたらしそうだ。「日本料理は海外でもとても人気がある。でも、日本酒はそれほど広まってない。それを知ってカナダにいた時は自分で売り込みにも行きました。そのことも勉強になった。もっと海外で日本酒の認知度を上げて、世界に広めたい」。

3.考えて、話し合ってつくる新しい〝らしさ〟

木製の盆「麹蓋(こうじふた)」を使って麹をつくる、昔ながらの製法を守っている浪乃音。月に1回店で行っている量り売りのイベントも好評だ。
こうして三兄弟で工夫してきた体制を、次の世代に渡していこうとする孝さんに「絶対に受け継いでほしい、守ってほしいことは?」とたずねたところ「それはないですよ。自由です」との答えが。「僕の父は、僕が19歳のときに急死したので、酒についてあまり話せなかった。だから自分で考えて、やってきました。同じように、自分で考えて、好きにやってもらったらいい。これからは海外の販路を開拓したり、ネット販売に力を入れるかもしれない。正解はない。ただし、変えるには理由がいります。一つひとつ、ゆっくり話し合っていこうと思っています。」

そんな父の言葉に「僕が戻って悪い方には絶対にしたくない。全員が美味しいとはならなくても、誰かが美味しいと思ってくれる酒造りができたら」と充也さん。
福島での4年間を経て始まる挑戦には千紗さんの支えもある。「堅田は地域の人たちのつながりが、とても温かいと感じています。ここでのチャレンジを私も広報担当としてサポートしていきたい」。
江戸時代から湖畔で営まれてきた酒造り。今年の秋に加わる一ページが、その歴史に新しい“浪乃音らしさ”を刻んでくれるだろう。

4.一度は飲みたい[浪乃音酒造]のお酒コレクション

浪乃音 大吟醸「金井 泰一流」生酒720㎖【箱入り】3850円教えを受けた杜氏の名を冠した浪乃音最高峰酒。令和2酒造年度全国新酒鑑評会金賞受賞。(通年、冷酒がおすすめ)

浪乃音 純米大吟醸「渡船」生酒720㎖2035円滋賀県で復活した日本古来の酒米「渡船」を使用。やさしい味わいながら米の深みもしっかり。(通年、冷酒がおすすめ)

浪乃音 ええとこどり純米酒超辛口無濾過生原酒720㎖1595円辛さだけではなく、旨みをしっかり残した味わいが魅力。最後の味のキレが特徴的。(通年、冷酒か燗)

浪乃音かぼす酒「かぼスッキリ」720㎖1540円国産かぼす果汁と日本酒のリキュール。かぼすの酸味に酒のまろやかさが溶け合って美味。(通年、オンザロックかソーダ割りがおすすめ)

浪乃音 純米吟醸生「月」720㎖1540円。大吟醸と同じ1801酵母の酒と、901酵母の酒を少しブレンド。香りと味のバランスが楽しめる。(11月末までの販売。冷酒がおすすめ)

5.[浪乃音酒造]のお酒が買えるところ

■滋賀県
[加藤酒店]077-522-4546 滋賀県大津市木下町13-1
[(有)二ッ屋]077-592-0019 滋賀県大津市木戸175-4
[こいずみ]0748-23-2666 滋賀県滋賀県東近江市青葉町228-5
[徳地酒店]077-565-0070 滋賀県草津市下笠町526-3
[きただ酒店]077-552-8070 滋賀県栗東市北中小路3番地
[株式会社 小川酒店]077-524-2203 滋賀県大津市浜大津2-1-31
[有限会社 土井酒店]0748-33-9408 滋賀県近江八幡市中小森町328番地
[酒舗 まえたに]0748-22-0575 滋賀県彦根市船町5-10
[酒のはしもとや]0749-62-3170 滋賀県長浜市神照町847
[酒酎屋 たきもと]077-581-0322 滋賀県守山市今宿町2-11-18
[株式会社 酒のかなざわ]077-562-0038 滋賀県草津市追分8-16-14
[有限会社 中野酒店]077-562-0244 滋賀県草津市大路1-6-17
[有限会社さざなみ酒店]0749-62-3373 滋賀県長浜市元浜町12-27

■京都府
[マルマン商店]0774-52-3582 京都府城陽市寺田北山田92-4
[(株)ヤスイ]075-313-0212 京都府京都市右京区西京極南方町20
[(株)野村龍酒店]075-933-2103 京都府向日市鶏冠井町楓畑22
[サガワ酒店]075-611-1188 京都府京都市伏見区新町12-318
[浅野日本酒店KYOTO]075-748-6641 京都府京都市南区西九条鳥居口町1 イオンモールKYOTO Sakura館1F
[有限会社 うめだ]075-841-3595 京都府京都市中京区壬生御所ノ内町27

6.中井夫妻がおすすめ!ご近所の美味しいアテ①[魚富商店]

琵琶湖で採れる小さな 海老は醤油がしみ込み やすく、お酒との相性も 抜群。大豆と一緒に炊い たえび豆は滋賀の郷土 料理。えび豆702円。

魚富商店

  • うおとみしょうてん
  • 滋賀県大津市本堅田1丁目16-14
  • JR「堅田駅」より車で5分
  • Tel.0120-105-292

7.中井夫妻がおすすめ!ご近所の美味しいアテ②[かしわの川中]

オンラインショップで人気の近 江しゃものすき焼きセットには、 筋肉質で歯応えのある食感と 独特の甘みが特徴の近江しゃ も450gのほか、鶏ガラスープと すき焼き卵6個が付く。2~3人 前、2500円。野菜付きはプラス 1000円。

かしわの川中

  • かしわのかわなか
  • 滋賀県大津市真野4-9-50
  • JR「堅田駅」から車5分
  • Tel.0120-003-129

浪乃音酒造

  • なみのおとしゅぞう
  • 滋賀県大津市本堅田1-7-16
  • JR「堅田駅」から車で
  • Tel.077-573-0002
  • 9:00〜17:00
  • 土・日曜、祝日休(12月は土曜営業)
  • 駐車場有
  • https://naminooto.com/jp/
  • ※毎月第4金・土曜は量り売りイベント
    (13:00~16:00)を実施
※予告なく記載されている事項が変更されることがありますので、予めご了承ください。

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