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2022.8.26
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花天井

京都の寺院・神社で出合う!花天井の名所10選

花天井は寺や神社などで見られ、格天井のマス目ごとに多彩な花が1つずつ描かれているのが特徴。そこに祀られている仏さまや神さまを敬う意味などが込められているという。文化財としての価値が高いものも多く、時代や文化を表すものとしても貴重です。京都に訪れる際には、ぜひ拝観して。

1.平成生まれの蓮華殿天井絵[大覚寺]/嵯峨

876年(貞観18年)に寺院として改められ、明治初頭まで天皇もしくは皇統の方が門跡を務めた格式高い門跡寺院。
嵯峨天皇の草木に対する思いを受け継いだいけばな嵯峨御流の総司所(家元)でもあり、花を描いた襖絵や天井画も多く、花の寺としても知られている。境内には3ケ所440枚の天井絵があり、霊明殿は非公開だが、大沢池そばの蓮華殿天井絵は特別公開時のみ、安井堂の天井絵はいつでも鑑賞することができる。

大覚寺の花天井

大沢池のほとりにある蓮華殿天井絵のテーマは「華曼荼羅」。2017(平成29)年に73名の嵯峨美術大学の関係者によって制作された78点を展示。 

大覚寺の入り口

旧嵯峨御所 大本山大覚寺

  • きゅうさがごしょ だいほんざんだいかくじ
  • 京都府京都市右京区嵯峨大沢町4
  • バス停「大覚寺」から徒歩1分
  • Tel.075-871-0071
  • 蓮華殿天井絵は特別公開時のみ
    安井堂の天井絵は常時公開

2.大正〜昭和に活躍した山口玲熙作[車折神社]/嵯峨

平安時代の儒学者・清原頼業公をご祭神とする車折神社。学業の神様であるほか、商売繁盛、金運、良縁などの御利益が知られている。
花天井があるのは、 本殿に続く拝殿の拝所。見上げると36枚の絵が一面に。モチーフになっているのはユリやアジサイ、キクといった花のほか、スイカやかぶなどの野菜、魚が泳ぐ姿や木の枝にとまる鳥もいて、美しく、とても華やか。

車折神社の花天井

制作時期は不明だが、1988(昭和63)年に拝所が全面改修されたときにはすでに絵は存在 。作者は大正から昭和に活躍した日本画家山口玲煕氏

車折神社の入り口

車折神社

  • くるまざきじんじゃ
  • 京都府京都市右京区嵯峨朝日町23
  • 嵐電「車折神社駅」から徒歩1分
    バス停「車折神社前」から徒歩1分
  • Tel.075-861-0039
  • 花天井は常時公開

3.花と日本の風景を色鮮やかに映す[正寿院]/宇治田原町

1200(正治2)年に医王教寺の塔頭寺院として建立された。毎年夏には風鈴まつりが催され、京都の風鈴寺とも呼ばれている。
客殿を彩る160枚の天井画は、本堂内陣にある江戸時代の天井画の復興として作られた。約90名の日本画家が協力し、花もしくは日本を感じる風景をテーマとして思い思いに描いたという。伝統的な顔料の岩絵具を使い杉板に表現された作品は椿やクレマチスなど和洋の花々、秋の渡月橋や鯉のぼり、舞妓、青海波など実にさまざまだ。それでも見事に調和しており、圧倒される美しさ。

正寿院の花天井2

天井画には宝居智子氏や山田りえ氏など20〜70代まで約90名もの日本画家が参加。6年掛けて完成し、2017(平成29)年に公開となった

正寿院の入り口

正寿院

  • しょうじゅいん
  • 京都府綴喜郡宇治田原町奥山田川上149
  • バス停「奥山田正寿院口」から徒歩12分
  • Tel.0774-88-3601
  • 花天井は常時公開

4.円山応挙直系弟子による天井画[楞嚴寺]/綾部

732(天平4)年、林聖上人を開基とする高野山真言宗の寺院。関西花の寺25ヶ所の第二番礼所で、季節によって蓮やツツジ、椿などの花を愛でることができる。
花天井が描かれている本堂は、元禄時代に建立された本堂の老朽化により、平成14年から15年にかけて全面改築され現在の姿へ。その時に描かれた花天井は、円山応挙による円山派直系の円山慶祥、円山真祥による「瑠璃光華曼荼羅図」。秋田杉の板に直接描かれた花は96面あり、朝顔や紫陽花、桜など身近な草花が多く描かれている。

楞嚴寺の花天井

花の寺として知られる楞厳寺の本堂には、96面もの花の絵が描かれている。横面にはすべて蓮の絵が描かれ、 蕾から花が咲き、散っていくまでの流れを表している

楞厳寺

楞嚴寺

  • りょうごんじ
  • 京都府綾部市舘町楞厳寺6
  • JR「綾部駅」から車で11分
  • Tel.0773-47-0043
  • 蓮池以外の拝観は要予約

5.44種の多彩な植物画が春と秋に公開[平岡八幡宮]/高雄

809(大同4)年に弘法大師が神護寺の守護神として、自ら描いた僧形八幡神像を神体に創建。室町時代に焼失したが、時の将軍・足利義満によって再建された。
現在の社殿は1826(文政9)年に仁孝天皇の命を受けて修復されたもの。本殿内陣の花天井も当時のものであり、花やカンゾウといった薬草などの植物が44面に渡り極彩色で描かれている。毎年春と秋に公開され、宮司の佐々木俊輔さんの解説とともに拝観することができる。椿や高雄もみじの名所としても有名で、秋の特別公開では見頃と重なる時期も。

平岡八幡宮の花天井

1827(文政10)年に 画工・綾戸鐘次郎藤原之信が手掛けた。かつて梅ヶ畑一帯が薬の産地だったために、薬草なども描かれているのだとか

平岡八幡宮の入り口

平岡八幡宮

  • ひらおかはちまんぐう
  • 京都府京都市右京区梅ヶ畑宮ノ口町23
  • バス停「平岡八幡前」から徒歩6分
  • Tel.075-871-2084
  • 花天井は特別公開の時期のみ拝観可
    特別拝観日時/2022年9月16日(金)〜12月11日(日)10:00〜16:00(受付/15:30)
    ※2022年10月2日、9日、10日は休み

6.敬う気持ちを天井に[方広寺]/祇園

1586(天正14)年、豊臣秀吉により創建された天台宗の寺院。
花天井があるのは、秀吉がお守りとして持っていたと言われている大黒天を祀っている大黒堂内。堂内の内陣に描かれた花天井は80枚、すべて異なる花の絵が描かれている。梵鐘がある鐘楼内の天井にも絵が描かれているので、拝観の際はぜひ両方の天井をじっくりと観察してみて。

方広寺の花天井

円を描くように丸く描かれた可愛らしい花々を見ることができる。和花以外にも色鮮やかな洋花が全80面の天井を彩る。制作時期や絵師は不明

方広寺

方広寺

  • ほうこうじ
  • 京都府京都市東山区正面通大和大路東入ル茶屋町527-2
  • 京阪「七条駅」から徒歩10分
  • Tel.075-561-7676
  • 花天井は特別公開の時期のみ閲覧可能
    特別公開期間/2022年9月10日(土)〜19日(月)まで(17日は休み)
    ※特別公開についてはInstagramを要確認

7.群青色が背景の150面以上の鏡板 [本隆寺]/西陣

西陣の古い街並みに溶け込むように建つ、法華宗真門流の総本山。1488(長享2)年に日真上人が開創した。
重要文化財の祖師堂の内陣では、格天井の鏡板に150面以上に植物が描かれている。背景の群青色が特徴で、色は薄くなっているものの所々に 鮮やかな色彩の名残が見られる。本堂は現在修復中で、来年終了予定。祖師堂は通常非公開だが拝観希望の場合、同日までに要予約。来年夏より修復開始予定。

本隆寺の花天井

絵師や制作年は不明だが、江戸時代初期頃の作品と見られる。格天井の黒漆塗りの格縁にも注目

本隆寺の入り口

本隆寺

  • ほんりゅうじ
  • 京都府京都市上京区紋屋町330
  • バス停「今出川大宮」から徒歩5分
    地下鉄「烏丸今出川駅」から徒歩15分
  • Tel.075-441-5762
  • 花天井は前日までに要予約
    1組5名まで ※志納金2000円(案内有)

8.所有者と親交のあった日本画家が描いた[旧邸御室]/御室

500坪もの敷地に庭と数寄屋建築が広がる[旧邸御室]。1970(昭和45)年に京都の製材所・山三製材所社長であった故山本三夫氏に受け継がれ、荒廃していた庭を整え建物を一部改装。2017年に国の登録有形文化財に登録されてからは、通年一棟貸しをメインに、交流の場として活用されている。
改装時に増築されたのが花天井のある洋間だ。シャンデリアを囲むように6枚の花の絵が飾られている。以前は豪華なソファが配された客間だったとか。花天井がそのもてなしに彩りを添えたのだろう。

旧邸御室の花天井

制作時期ははっきりしないが増築時に花天井も描かれたと推定されている。作者は山本氏が作品をコレクションしていた日本画家の武藤彰氏

旧邸御室の入り口

旧邸御室

  • きゅうていおむろ
  • 京都府京都市右京区御室岡ノ裾町5
  • Tel.075-366-0376
  • 通常非公開(5月のみ公開)

9.檀信徒の心にも花が咲く天井絵[西福寺]/祇園

平安時代、弘法大師が京の三大葬地のひとつ・鳥辺野の入口に位置する六道の辻に辻堂を建立し、自作の地蔵尊を祀ったのが始まり。子育地蔵、子安地蔵、子授地蔵として今も信仰を集めている。
現在、特別公開などは行っておらず、本堂の中から花天井の鑑賞はできないが、本堂の外から見上げることは可能。アイリス、ガーベラ、ブーゲンビリアなど昭和に制作された花天井には、西洋の花も数多く描かれている。

西福寺の花の天井

檀林皇后御入滅後1150年に当たる追善供養として、1983(昭和58)年に日本画家の森本有泉氏とその弟子が奉納。全64面中9面が森本有泉氏の作品

西福寺の入り口

西福寺

  • さいふくじ
  • 京都府京都市東山区松原通大和大路東入ル西轆轤町81
  • 京阪「清水五条駅」から徒歩7分
  • Tel.075-551-0675
  • 花天井は一般非公開

10.常磐御所の名にふさわしい優美さ[光照院]/西陣

常磐御所とも呼ばれた浄土宗の尼門跡寺院。1356(延文元)年、後伏見天皇の皇女・進子内親王が室町一条北の地に創建。
堂内は格式の高さを感じられる折上格天井になっており、中央部の80面に渡る花天井が見事。尼門跡らしい雅やかで可憐な雰囲気の花々に目を奪われる。境内には昭和御大礼時の建物を移した常盤会館もあり。普段はいずれも非公開だが、特別公開も行われるので、その機会に訪れたい。

光照院の花天井

京都生まれの南画家・田能村直外が手掛けた花天井は、本堂の建立と同じ1968(昭和43)年の作品。 梅やキク、蓮などの花々が描かれている

光照院の本堂

光照院

  • こうしょういん
  • 京都府京都市上京区新町通上立売上ル安楽小路町425
  • バス停「堀川寺ノ内」から徒歩6分
    地下鉄「今出川駅」から徒歩8分
  • Tel.075-441-2254
  • 通常非公開(特別公開の時期のみ拝観可)
※予告なく記載されている事項が変更されることがありますので、予めご了承ください。
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