
8月31日(月)までの限定販売
三猿と日本最初庚申尊の文字が刻まれている石碑

近寄って見ると三猿(見ざる、言わざる、聞かざる)が
描かれているのがしっかりとわかる
そんな八坂庚申堂のさほど広くない境内で一際目立つのが、「くくり猿」だ。手足をくくられた色鮮やかな猿がたくさん吊られたもので、欲のまま行動する猿の手足をくくりつけ、人の中にある欲望を庚申さんに戒めてもらう、のだそうだ。くくり猿に願いを一つ託し、欲望を一つ封じることで叶うといわれている。

本堂の色鮮やかなくくり猿とその前に置かれた三猿

境内のビンツルさんと色鮮やかなくくり猿
さて、庚申の夜だからといって一晩中、起きている自信がないという人もいるにちがいない。では、どうすれば虫が這い出したり、逆に虫が入ってくるのを防げるのだろう?
それにはコンニャクを食べるとよいと聞いた。八坂庚申堂では庚申の日にコンニャク炊きの接待が行われ、参拝者に猿の形をしたコンニャクがふるまわれる。
それを3ついただくと、無病息災で過ごせるという。3つというのは、3匹の虫の数ということだろうか。
では、なぜコンニャクなのか。それは「コン(根)よくヤク(厄)をとる」ということらしい。庚申の日に祈祷してもらったコンニャクを病人の頭の上に置くと病が治るとも信じられてきた。
今年の納庚申は、11月24日にあたる。食べたい、寝たい、欲しいものもいっぱい……、そんな人は納庚申に八坂庚申堂を訪れて、「庚申さん」に欲を戒めていただき、コンニャクを食べて心身とも健やかになってみるのもいいかもしれない。私も、行ってみよう。

八坂庚申堂近くの家の軒先に吊された「くくり猿」
京都の街のどこでも存在する伝承。それは単なる絵空事ではなく、この現代にも密やかに息づき、常に人々と共存し続けている。1200年余りの歳月をかけて生み出された、「摩訶」不思議な京都の「異」世界を、月刊誌Leafで以前「京都の魔界探訪」の連載をしていたオフィス・TOのふたりが実際にその地を訪れながら紐解いていく。。