
『祇園祭・山鉾巡行』を楽しむための初心者ガイド
日本三大祭の一つであり、1000年以上の歴史を持つ京都の祇園祭。毎年7月から1ヶ月間にわたってさまざまな祭事が行われます。なかでも多くの人で賑わう宵山の期間には、疫病・災難除けのお守りであるちまきを授かることができるんです。そこで今回は、ちまきの販売情報や各山鉾の由来をご紹介。ちまき以外の授与品も併せて取り上げるので、宵山に出掛ける際の参考にしてみて。 (TEXT/紫原もこ、PHOTO/増田えみ、EDIT/田村実季)
祇園祭の期間に授与される「ちまき」は、笹の葉で作られた疫病・災難除けのお守りのこと。
その由来は、[八坂神社]の主祭神である素戔嗚尊(すさのをのみこと)にまつわるお話にあります。素戔嗚尊が旅の途中で一夜の宿を求めた際に、蘇民将来(そみんしょうらい)という人が貧しいながらも手厚くもてなしました。温かな心遣いに感動した素戔嗚尊は、「茅の輪を腰につけておけば蘇民将来の子孫として疫病から守る」と約束します。目印となった茅の輪は茅(ち)を束ねて巻いて作ることから「茅巻」、転じて「粽(ちまき)」と称されるようになりました。束状のちまきには「蘇民将来子孫也」と記された護符が付いています。
京都ではちまきを住居の玄関に吊るして無病息災を祈願し、1年後に[八坂神社]や授かった山鉾に返納するのが習わしです。
ちまきは、祇園祭の宵山期間中に各山鉾の町会所で授与されるのが通例。宵山とは、7月17日の前祭(さきまつり)と7月24日の後祭(あとまつり)に行われる山鉾巡行の3日前・前々日・前日にあたる3日間。なお、ちまきの授与場所や期間、時間については変更となる可能性があるのでご注意を。
山鉾の中で最も早く、応仁の乱よりも以前に創建されたと伝わる[長刀鉾]。三条小鍛冶宗近が娘の病気平癒を祈願して[八坂神社]に奉納した大長刀を鉾頭に掲げたのが始まり。古来、くじ取らずの鉾として毎年前祭の山鉾巡行で先頭に立つ。現在では生稚児が乗る唯一の鉾であり、稚児によるしめ縄切りは巡行における見どころのひとつ。疫病邪悪を祓うものと信じられてきた長刀にあやかり、ちまきを飾って厄除けのご利益を授かろう。
山鉾名/長刀鉾(なぎなたほこ)
授与場所/長刀鉾保存会町会所
授与期間/7月13日(月)~16日(木) ※直接授与の規定本数に達し次第終了
授与価格/1300円
くじ取らずの鉾として[長刀鉾]に次ぐ鉾二番を担い、全体では5番目に巡行する[函谷鉾]。1788年に天明の大火で焼失した後、1839(天保10)年に50年ぶりに復興されて現在に至る。中国の戦国時代、斉の孟嘗君(もうしょうくん)が鶏の鳴き声を真似た食客のおかげで函谷関を脱出できたという故事に基づいて命名。真木なかほどの天王座には孟嘗君を祀り、その下に雌雄の鶏をそえる。厄除けのちまきを入れる外袋には鉾の全体図が描かれており、堂々とした佇まいに感動。
山鉾名/函谷鉾(かんこぼこ)
授与場所/函谷鉾町会所
授与期間/7月13日(月)~16日(木)
授与価格/1500円
[月鉾]は三日月を掲げ、天王座に月読尊(つくよみのみこと)を祀ることからその名で呼ばれるようになった。月読尊は夜を支配するとともに水徳の神でもあり、月と水に関連する装飾品が多いという。18金で作られた鉾頭の三日月をはじめ、左甚五郎作とされるウサギの彫り物や円山応挙の屋根裏絵画など、優れた工芸装飾が随所に。紅白の紙で飾られたちまきからも「動く美術館」と讃えられる華やかな鉾の様子が伝わってくる。
山鉾名/月鉾(つきほこ)
授与場所/月鉾町会所
授与期間/7月13日(月)~16日(木)
授与価格/1000円
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