
[2023] Better luck! Recommended power spots in Kyoto...
2026(令和8)年の干支は「午(うま)」。今回は京都にある馬との関わりが深い神社を4か所紹介します。おすすめの神社に干支詣をし、午年の一年がより良いものとなるよう祈願してみませんか。(TEXT/紫原もこ、EDIT/堀家果菜子)
干支は、正確には十干(じっかん)と十二支(じゅうにし)を組み合わせたもの。
十干が「甲、乙、丙、丁、戊、己、庚、辛、壬、癸」の10種類、十二支が「子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥」の12種類を指す。両者の組み合わせによって暦を「甲子(きのえね)」から「癸亥(みずのとい)」までの60通りで表現し、61番目はまた最初に戻る。
2026年に巡ってくる干支は「丙午(ひのえうま)」。
「丙」は十干の3番目で、古代中国の思想である陰陽五行説において火と陽の性質を表す。
一方で、干支の7番目である「午」は動物の馬にあたり、健康や豊作、発展の象徴とされる。また、かつては太陽が最も高く昇る正午の時間帯を「午の刻」と称したことから、明るく力強いイメージも。
ともに火の要素を持つ丙午(ひのえうま)の年は、「情熱を持って前へ進む飛躍の年」になると言えそう。今年の目標や挑戦したいことを決めて、馬にまつわる神社に参拝してみて。
賀茂川と高野川が合流する場所に鎮座する世界遺産の[下鴨神社]。正式名称は[賀茂御祖(かもみおや)神社]といい、古代の氏族・賀茂氏の氏神を祀ることに由来する。京都最古と伝わる神社の一つで、近年は縁結びなどのパワースポットとしても有名。
写真提供/下鴨神社
毎年5月3日には、15日の葵祭(賀茂祭)の安全を祈って「流鏑馬神事(やぶさめしんじ)」が行われる。伝統装束姿の射手(いて)が馬に乗り、糺の森の参道沿いにある約400メートルの馬場を駆け抜けながら的に鏑矢を放つ様子は迫力満点。
「流鏑馬神事」で射抜かれた的は縁起物として授与される
境内には言社(ことしゃ)という7つのお社があり、昔から干支の守り神として信仰されてきた。御祭神はすべて大国主命(おおくにぬしのみこと)の別名で、午年を守護するのは一言社(ひとことしゃ)に祀られる顕国魂神(うつしくにたまのかみ)。干支詣の際には本殿とともに参拝したい。
言社のなかで午年にあたる一言社
水の供給を司る高龗神(たかおかみのかみ)を御祭神とする[貴船神社]。「きふね」は古くは「気の生ずる根源」を意味する「氣生根」と記され、諸願成就や縁結び、運気隆昌のご利益があると伝わる。社殿前の石垣から御神水が湧き出る本宮、縁結びの神様である磐長姫命(いわながひめのみこと)を祀る結社(ゆいのやしろ)、森に囲まれた創建の地・奥宮の三社に参拝することを三社詣という。
写真提供/貴船神社
古来、朝廷から雨乞いの際には黒馬を、止雨を祈願する際には白馬を献上されていたが、平安時代になると馬の絵を描いた板立馬(いたたてうま)が奉納されるようになった。これが現在の絵馬につながることから、絵馬発祥の地といわれる。毎年3月9日には1年間の適度な雨量と五穀豊穣を祈る「雨乞祭」の神事に続き、古絵馬焼納式も行われるので見学してみて。
本宮の本殿横にある黒馬と白馬の「神馬像」が絵馬の由来を伝える
発祥の物語にちなんだ絵馬700円
平安京遷都以前より深草の地に鎮座する[藤森神社]。203(摂政3)年に神功皇后が新羅出征より凱旋した際に旗と武具を納め、祭祀を行ったのが起源と伝わる。6月から7月にかけては、2箇所の紫陽花苑で約3500株のあじさいが咲き誇る光景と出合える。
写真提供/藤森神社
毎年5月1~5日に執り行われる藤森祭は、「菖蒲(端午)の節句」発祥の祭として有名。この菖蒲が尚武、さらに勝負に通じることから勝運を呼ぶと信じられてきた。特に5月5日に奉納される「駈馬神事(かけうましんじ)」は1200年の歴史を持ち、京都市の無形民俗文化財にも指定されている伝統行事。乗り子が馬上で披露する「藤下がり」や「一字書き」といったダイナミックな技に圧倒される。
矢の降りしきる中を駈け抜ける「手綱潜り」
馬を守護する神様としても名高く、宝物殿には馬の博物館も併設されているのだとか。境内で馬をモチーフにしたものを探すのも楽しい。
[上賀茂神社]の通称で親しまれる[賀茂別雷神社(かもわけいかづちじんじゃ)]は、京都最古の神社の一つ。御祭神に賀茂別雷大神(かもわけいかづちのおおかみ)を祀り、厄除や開運などのご利益があるという。
写真提供/上賀茂神社
本殿と権殿は国宝で重要文化財も数多く、境内全域が世界文化遺産に登録されている。また、二の鳥居の手前に建てられた神馬舎(しんめしゃ)には日によって白馬が登場するので訪れてみて。
神馬が出社するのは日曜と祝日、神社祭典日の9:30~15:00
多彩な神事のなかでも、毎年5月5日には葵祭に関連して2頭の馬が速さを競う「賀茂競馬(かもくらべうま)」が行われる。その前の5月1日に「賀茂競馬足汰式(かもくらべうまあしぞろえしき)」で実際に馬を走らせ、組み合わせを決めるという。もとは天下泰平と五穀豊穣を祈願した宮中行事を移したことが始まりだとか。馬との深い縁を感じられるからこそ、干支詣にぴったりだ。
長い歴史の中で受け継がれてきた「賀茂競馬」
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