
2025] Eating & Drinking at Kiyomizu-Dera Temple Approach, Kyoto....
右から、八代目尾上菊五郎、六代目尾上菊之助
2025年12月1日(月)から[南座]で始まる『當る午歳 吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎』では、『尾上菊之助改め八代目尾上菊五郎襲名披露 尾上丑之助改め六代目尾上菊之助襲名披露』として、昼の部は菊之助さんの襲名披露狂言『玉兎』と、菊五郎さんの襲名披露狂言『鷺娘(さぎむすめ)』など。夜の部は、菊之助さんの『寿曽我対面(ことぶきそがのたいめん)』や菊五郎さんによる『弁天娘女男白浪(べんてんむすめめおのしらなみ)』などが上演される。今年5月から襲名披露公演を行なっている菊五郎さんと菊之助さんが、10月に大阪で会見を開いた。
南座の『顔見世興行』への出演が16年ぶりとなる菊五郎さんは、「久方ぶりの出演ですが、1年の締めくくり、そして次の年へ繋がる大切な公演です。映画『国宝』の影響や、松竹創業130周年という節目の年で、歌舞伎に多くの注目を集めていただいております。今まで歌舞伎を支えてくださった方、そして新しく興味を持ってくださった方への感謝の気持ちを込めて、精一杯勤めさせていただきます。公演ごとに歴代の菊五郎が築き上げてまいりました名跡の重み、そして責任というのをひしひしと感じておりますが、その重みはプレッシャーというだけではなくて、自分の励みに向かっています。その重みを胸に、日本人が大切にしている心をお伝えするべく、一公演一公演勤めています。」と、にこやかに語った。
記者から映画『国宝』について尋ねられると、数年前に『国宝』を読んでいた菊五郎さんは「以前、鴈治郎のお兄さんのお部屋に吉田修一先生が黒衣の姿でつめていらっしゃって、歌舞伎にご興味があるんだなと思っていましたが、それが『国宝』という上下巻もある壮大なストーリーになり、さらに映画になると伺った時にどんな風になるんだろう思いました。主人公の喜久雄を中心として、歌舞伎にかける、芸術に対する思いというものが非常に鮮明に描かれ、そして綺麗な映像、音楽、舞台美術も素晴らしかった。役者から見た視点で描かれることが今まではなかったような気がしますので、映画を観させていただいた時にすごく素晴らしい作品だなと思いました。歌舞伎にリスペクトをしてくださったスタッフの方、出演者の方には本当に敬意を表したい。
そして、このように大ヒットとなり、歌舞伎をご覧になったことがない方も劇場に足を運んでいただいているということを劇場でも感じることができます。そういう意味でも、この12月の『顔見世興行』は、歌舞伎の古典演目、代表的な演目が並んでおりますので、今まで本当に歌舞伎を愛してくださった方、そして映画を通して興味を持ってくださった方にもとてもおすすめの公演です。」とコメント。
また、映画でも演じられた『鷺娘』を上演することについては、「六代目菊五郎が、その当時のアンナ・パブロワさんというロシアのバレエの『瀕死の白鳥』の演技を見て非常に感銘を受け、『鷺娘』の演出に着想を得たといわれています。『瀕死の白鳥』の最後、息をしていないような演技について六代目が尋ねると、パブロワさんは、舞台で死んでもいいつもりで幕切れを迎えていると答えられた。国は違えども、芸に対する向き合い方というのは、突き詰めれば国境を超える。超えて芸術の精神は共通している。そのことを知って、身が引き締まる思いがしました。
『鷺娘』は古典歌舞伎の中でもとても大切にされている演目ですので、歌舞伎という古典を守りながら、表現する形を変えて、芸術の精神を今のお客様と共有できたらこんなに幸せなことはないなという思いです。」と、今の時代に合わせた表現を追求していく真摯な姿勢を見せた。
南座の『顔見世興行』に初めて出演する菊之助さんは「先祖ゆかりの土地で襲名興行をさせていただくのは大変うれしいことだと思っています。とてもワクワクする気持ちもあるのですが、初めての劇場なので、やはり緊張というか不安な気持ちもあります。」と、期待と不安を覗かせた。
菊之助さんは「襲名披露が始まった5月から変わったことは」と聞かれ、「『道成寺』を踊っている時の体力が、お芝居を重ねるうちについてきた気がします。小さい頃は緊張感でいっぱいいっぱいでしたが、最近は緊張感というよりも、どうやってお芝居をしてお客さんを楽しませることができるかを考えております。」と、11歳ながらもしっかりした頼もしさに、将来への期待が膨らむ。
「お父さんに褒められますか?」と聞かれると、「間違ったところを指摘されるので、なんで?って聞いたんです。その時、『頑張ってるけど、もっと上手くなるため、成長するために厳しく言ってるんだよ』って言ってもらえて、そうなんだなと思いました。でも褒められた時は本当に嬉しいです。」と笑顔で答えると、会場が一気に和みモードに。
菊五郎さんは「どうしてもやっぱり厳しくなってしまう」と苦笑いしつつ、「その代わりに、11月は少しお休みをいただけますので、大好きなMrs. GREEN APPLEさんのライブや、温泉でゆっくりするというご褒美を考えております(笑)。」と優しい父親としての一面もちらりと見せた。
写真提供/松竹
映画『国宝』に注目が集まり、歌舞伎を観に劇場に来る人も増えている昨今。「歌舞伎は、どうしても難しいという先入観をお持ちの方もたくさんいらっしゃると思うんですけれども、本当にいろんな角度から楽しめる入り口がたくさんあるので、演目の大まかな筋をわかっていただければ、劇場に来て、色彩、音楽、衣裳、そして役者の演技をお客様に感じていただけるだけで、楽しめる演目、演劇だと思います。まずは体験していただくということが1番。」と言う菊五郎さんの言葉通り、まずは[南座]で歌舞伎を堪能してみよう。特に師走の『顔見世興行』は東西の歌舞伎俳優が揃い、また格別!この機会を見逃さないで。
チケット発売は11月9日(日)から。人気公演のため早めのチェックを!
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