第59回『京の冬の旅』キャンペーンが2025年1月...
特別インタビュー
Reo Umezao
梅棹 レオさん
1982年、美山町生まれ。京都調理師専門学校を卒業後、京都市内の飲食店で修業をし、2012年に地元へ戻り実家の古民家レストランを継ぐ。2016年有限責任事業組合「一網打尽」を仲間と立ち上げ美山ジビエの販売に力をいれる。
このごろ美山ジビエが注目されている。そのおいしさを知る一人が梅棹レオさん。築150年の茅葺屋根のレストラン「ゆるり」を営む料理人は、幼なじみの地元猟師からシカの解体方法を教わった。その時から美山ジビエに対する客観的な意見が気になり、信頼できる友人の料理人に美山のシカ肉を送ったところ、その返事は「この鮮度と肉質をもつクオリティの高いシカ肉を東京で得ることはできない」。これが自信に繋がり美山ジビエを扱うことを考え始めたという。
美山の農家では、他地域と同様に、獣害が死活問題となっており、それならばと自分たちの地域を守るために起ち上げたのが、捕獲から解体、精肉、加工、販売までを行う「一網打尽」。4代目猟師の藤田敏雄さん、祇園の名店で腕を磨いた料理人の岡本真也さんに、事業を支える経理担当といった仲間とともに、レストラン敷地内にある蔵を食肉処理業の施設にして、ジビエの解体・売買の許可を得ることに。梅棹さんは「ジビエは臭いと思われがちですが、その理由は肉が古いこと、捌き方がよくなかったことだと、3年以上解体してきて思います。私たちは、解体して精肉にするまで短時間で行うので新鮮さが違う。捕獲して翌日には東京にも届きます」。
今は、流通も冷蔵技術も進化しているので、真空パックで1年位は鮮度が保てるとも話す。さっぱりしていてクセがない赤身のシカ肉など、部位も10以上あり、味わいもそれぞれに合う料理法も違うそう。希少価値の高い、自然豊かな美山育ちの上質なジビエ肉。味わうならまずは現地を訪れたい。
ビストロ シック/紫竹
美山産ジビエのコンソメ、美山鹿ロースのメインディッシュは共にランチ5390円、ディナー9900円~のコースから。ワインと一緒に楽しみたい
「ジビエは個体差があるところに素材としての魅力があって、料理するのが楽しい」と石橋賢シェフ。前菜や主菜に美山産の鹿肉などを使うのはもちろんのこと、ジビエから取ったフォンを様々な料理のベースに使用し、ジビエを味の軸に据えている。京都の里山の素材が彩るフランス料理を、古民家を利用した座敷のフロアで味わうというのも趣がある。
bistro Chic
ビストロ シック
かみや/木屋町御池
赤山椒を混ぜたふきのとう味噌など、お任せ酒肴三種盛り990円。美山産イノシシ焼き2200円は旨み豊かでジューシー
店主の実家がある美山で採れた季節の野菜や川魚、ジビエの狩猟処理を手がけるユニット[一網打尽]から届くイノシシなどを取り入れた一品料理が楽しめる。なかでも自家栽培の山椒は完熟した赤い実、緑の実、葉、花、樹皮まで、メニューの大半に使用しているというから驚き。カウンター席で料理を味わいながら、美山の食材の話を聞くのも楽しい。
内儀家
かみや
さんぼんぎしょうてん/河原町丸太町
じっくりと炭火で赤身肉の旨みを引き出した美山の鹿 内モモ250g3400円。香ばしい炙りきつね 美山のわら納豆醤油ソース800円
閑静な住宅街にある炭火焼と自然派ワイン・日本酒が楽しめる店。築100年の町家を改修し中庭とカウンター席、大テーブルを設けた。食材は信頼できる生産者から肉や魚、野菜を仕入れる。中でもジビエファンの舌をうならせるのが美山から届く上質な鹿肉。備長炭で丁寧に火を入れ肉がもつ旨みを存分に引き出す。添え野菜たっぷり滋味豊かな料理に心躍る。
三本木商店
さんぼんぎしょうてん