
丸太町に誕生した農家に寄り添うベーカリー[hina...
むっちりとしたヴィエノワにバタークリームとラムレーズンを挟んだり、ルヴァン生地にコーヒー、オレンジピール、クルミ、ホワイトチョコを練り込んだり。センスの良いうつわや木製ボードに並ぶパンを前に「あれもこれも食べてみたい!」と迷わずにいられない。クチコミでファンが増え、閉店時間よりだいぶ早い時間帯に売り切れてしまう日も珍しくない、二条城近くのベーカリー。
左から、石臼挽きの小麦と5種類の小麦、ライ麦、ディンケル小麦の全粒粉を使用、香ばしいバゲット350円。ライ麦や全粒粉など10種以上の粉をブレンドし、自家製酵母で長時間熟成のルヴァン450円。ディンケル小麦の全粒粉を配合した生地とたっぷりバターが重なり合う人気のクロワッサン300円。
人気カフェや料理店のシェフからも絶大な支持を得る一軒だが、実店舗を持つ前、パンイベントに参加しはじめた頃は悔しい思いもしたという。
シェフ 中川昌倫さん
京都、兵庫、大阪の人気ベーカリーで修業。パンイベント出店などの直接販売を経験して2019年にオープン。実家もベーカリー!
「最初は全然売れなくて。どうにか立ち止まってもらいたい一心で、うつわを揃えて見せ方を工夫。お客さまのダイレクトな反応を見たことが、今に活きているのかもしれません」と、当時を振り返る。
実は2022年2月に店舗を拡張した。「スタッフも増え、作るパンも増え、作業スペースが手狭になってきて。せっかく買いに来てくださった方が、売り切れていてがっかりすることがないよう、たくさん焼ける体制を整えたいです」と、明日のルヴァンの仕込みをしながら話す中川さん。新しい空間から生まれる新作に、また期待したい。