
京都の歴史と美を感じる![東福寺]の見どころガイド
初めて訪れたのに、どこか懐かしい気持ちになることはないだろうか。ここ、[光明院]はそんな気持ちにさせてくれる隠れた名スポットだ。
[光明院]は、室町初頭の1391(明徳2)年に[東福寺]の塔頭(塔頭、禅宗寺院において、祖師や高僧の死後、その徳を慕って弟子たちが建てた小規模な寺院や庵のこと。)として創建された。
綺麗な石畳を歩いて中に入ると(拝観料は500円)、昔の日本家屋のような内装が迎えてくれる。田舎に帰ってきたような安心感を覚えるが、ひとつ違うのは、その奥に重森三玲さんが作庭したダイナミックな枯山水が構えていることだ。
重森三玲さんは昭和の前半に活躍した作庭家で、[光明院]の「波心庭」は三玲さんの信念でもある「生きた庭」を体現し、時の流れや風雨、自然の営みのすべてを取り込み、庭の美しさに花を添えるものとしているそうだ。
「虹の苔寺」の異名を取り、苔と砂の見事な調和を見せる。
ただ、この庭の凄いところは、枯山水のことがよく分からなくても、その凄さが感じられるところだ。
院内には畳の部屋や、机のある部屋、ちょっぴり小高い場所に位置する茶亭などがあり、色んな場所から庭を眺めることができる。
時間を忘れて、なにも考えずにゆっくり庭を眺めている時間は贅沢に感じるかもしれない。
ここではぜひ、30分以上滞在してほしい。
というのも、長く居ると、自然の変化に出合えるからだ。
ダイナミックな大刈込として、庭の背後にあるツツジやサツキは、風が吹くと、さやさやと音をならし、どこかにある滝が水の音を立てていることに気付く。
雲が通ると、庭が明滅するように光っているように見えて、これがまた美しい。
居心地の良さも相まって、時を忘れて過ごしていると夕方になる。
もちろん夕暮れになると、夕焼けに照らされる庭のまた美しいが、この時間になると近くにある幼稚園の子どもたちの、元気な声が聞こえてくる。
その声を聴いて、夢のような光景を見ていた自分は、現実に引き戻されるのだ。
ここで過ごした時間が夢ではなく現実で、自分の人生の1日に刻まれたことに嬉しさを抱きながら帰ることができる。
ぜひ、[東福寺]の近くに来たら、足を延ばしてみてほしい場所だ。
[光明院]へは鳥羽街道駅から徒歩7分、東福寺駅から徒歩15分の場所にある。
鳥羽街道駅からのほうが近いが、東福寺駅から向かう場合は、[東福寺]にある臥雲橋を通る経路がおすすめ。
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