
世界遺産[清水寺]の見どころに迫る!年間500万人...
京都の市中、[平安京]の遺構として今なお存在感を放つ、真言宗総本山[東寺]。正式名称は教王護国寺(きょうおうごこくじ)といい、平安遷都に伴い建立された。後に弘法大師空海に下賜され、日本初の真言密教寺院となる。創建以来の伽藍配置が残る境内は史跡に指定され、国宝や重要文化財も数多く所蔵。なかでも五重塔は、京都のシンボルとして名高い。
[東寺]は京都駅からアクセスしやすく、駅周辺を観光する際におすすめの場所だ。
今回は、世界遺産にも登録されている[東寺]の見どころと歴史を詳しく紹介。桜・紅葉のライトアップや、毎月開催される弘法市も併せて訪れてみて。
794(延暦13)年、桓武天皇が平安京に遷都。そして、796年に国家鎮護の役割を担う官寺として建立されたのが、[東寺]だ。[東寺]は平安京の玄関にあたる羅城門(らじょうもん)の東側に位置し、当初は西寺(さいじ)と対をなす存在だった。
桓武天皇の後に即位した嵯峨天皇は、唐で密教を学んだ弘法大師空海に[東寺]を下賜する。空海によって講堂や五重塔の工事が進められ、現在まで残る伽藍のもとが築かれた。こうして、真言密教の総本山として信仰されることに。
やがて平安時代末期になると、[東寺]は荒廃する都とともに衰退していく。
復興の兆しが見えるのは、鎌倉時代だ。1233(天福元)年に、運慶の子である仏師康勝(こうしょう)によって弘法大師空海の坐像が完成。1240(延応2)年には御影堂で御影供の法要が始まり、これが弘法市のルーツとなった。
しかし室町時代、あの応仁の乱でも被害を免れたものの、1486(文明18)年の山城国一揆で金堂や講堂、廻廊、南大門が焼失してしまう。
この5年後に、講堂が再建。桃山時代には金堂と薬師三尊像、さらに南大門も再建され、ようやく元通りの姿になった。また、落雷で焼失した五重塔も、江戸時代に再建された姿を今に伝えている。
人々の手で繰り返し再興されてきた[東寺]は、1994(平成6)年12月、「古都京都の文化財」として世界文化遺産に登録された。
・御影堂(みえどう)
境内の北西にある御影堂は、かつて空海が住んでいたと伝えられる場所。「大師堂(だいしどう)」とも呼ばれ、後堂(うしろどう)、前堂(まえどう)、中門(ちゅうもん)の3つから成る。南北朝時代の建物は国宝に指定されており、落ち着いた風情が印象的だ。
前堂には、国宝の弘法大師像が本尊として安置されている。また、後堂には大師念持仏の不動明王坐像が祀られているが、秘仏のため非公開。
御影堂では、毎月21日の午前10時から御影供(みえく)が執り行われる。御影供とは、弘法大師空海に報恩感謝する法要のこと。特に空海が入定した4月21日(旧暦の3月21日)の法要は、正御影供(しょうみえく)という。この日は終日、本尊が開帳される。
毎朝6時に始まる生身供(しょうじんく)も、本尊が開帳されるタイミングだ。
生身供では、空海が御影堂に住んでいた頃のように、一の膳、二の膳、お茶をお供えする。誰でも参加可能で、供養料は不要。5時50分頃に御影堂の唐門か西門前に集合し、6時の鐘が鳴り終わったら、御影堂に入って参拝しよう。
御影堂(国宝)
・観智院(かんちいん)
南北朝時代の1359(延文4)年頃に、杲宝(ごうほう)によって創建された東寺の塔頭。ここで杲宝とその弟子である賢宝(げんぽう)が文書類を編纂するとともに、密教の聖教類を数多く収集した。真言宗における勧学院、いわゆる大学の研究室のような存在といえる。
書院造の要素を残す観智院の客殿は、国宝に指定。また、上段の間には宮本武蔵の筆による「鷲の図」と「竹林の図」が描かれている。
さらに客殿の東側に本堂があり、重要文化財の五大虚空蔵菩薩(ごだいこくうぞうぼさつ)が本尊だ。
現在、観智院は通年で公開されている。拝観料は大人500円。一般の写経も受け付けており、筆ペンを貸し出しているとのこと。受付時間は9時~15時まで、納経料として1000円必要。予約は不要なので、気軽に写経を体験してみては。
観智院
・南大門(なんだいもん)
南大門は、[東寺]の伽藍配置では正面の門にあたる。かつては仏師の運慶・湛慶作の仁王像が祀られていたが、1868(明治元)年に焼失。1895(明治28)年、平安遷都1100年を記念し、[三十三間堂]の西門を移築することで再建された。桃山時代の建築として、重要文化財に指定されている。
南大門(重要文化財)
・庭園
五重塔の北側には、池泉廻遊式の瓢箪池がある。夜間のライトアップでは、夜桜や紅葉、五重塔が池に映り込み、写真スポットとして人気だ。また、初夏になると蓮の花が咲き誇り、まるで極楽浄土にいるかのような景色を見せてくれる。
瓢箪池
・食堂(じきどう)
仏教の教えに基づき、僧が生活の中に修行を見出すとされる場所。
平安時代に建立された食堂は、1930(昭和5)年の火災で焼失した。現在の建物は、3年掛けて再建されたものだ。本尊の千手観音菩薩もこの火災によって大きく焼損したため、修復後は[宝物館]に収蔵。現在では、十一面観音菩薩が食堂の本尊として安置されている。
また、堂内には、四国八十八ヶ所巡礼や洛陽三十三所観音霊場などの納経所がある。御朱印の受付もこちら。
2012年からは、食堂で写経を体験できるようになった。受付時間は9時~15時で、食堂にて直接申し込める。納経料は1000円。ただし、食堂で催しや法要がある場合、時間や場所が変更されることもあるので気を付けて。
食堂
・宝物館
国宝や重要文化財など、貴重な歴史資料を多数保管し、調査や整理を行っている施設。館内の1、2Fが展示室となっている。年に2回、春と秋の特別公開にあわせて拝観できるので要チェックだ。
開館時間は9時〜17時、受付終了は16時30分となっている。
・小子房(しょうしぼう)
天皇を迎える場であった小子房は、弘法大師空海の千百年御遠忌(ごおんき)にあたり、1934(昭和9)年に再建された。
その西側にあるのが、国宝の蓮華門。空海が晩年に東寺から高野山へと旅立ったとき、不動明王が見送りに現れた。そして、不動明王の足元や歩いた跡に蓮華が咲いたという言い伝えから、この門が蓮華門と呼ばれるようになったそうだ。現在は非公開となっている。
蓮華門(国宝)内部 ※非公開
外部から見た蓮華門
・灌頂院(かんじょういん)
843(承和10)年頃、密教の重要な道場として実恵(じつえ)によって建立された。1585(天正13)年の地震で被災した後、江戸時代の1634(寛永11)年に再建。
[御影堂]で行われている御影供も、もとは910(延喜10)年にこの[灌頂院]ではじまったという。重要文化財に指定されており、通常は非公開。
灌頂院(重要文化財) ※通常非公開
●京都駅からのアクセス
JR「京都駅」八条口から徒歩約15分
●電車でのアクセス
・地下鉄「九条駅」から徒歩約17分
・近鉄電車「東寺駅」から徒歩約10分
●バスでのアクセス
・市バス19と78系統「東寺南門前」、市バス42系統「東寺東門前」、市バス16系統「東寺西門前」バス停から徒歩すぐ
●基本情報
住所:京都府京都市南区九条町1
電話番号:075-691-3325
公式ホームページ:https://toji.or.jp/
駐車場有。普通車は600円/2時間、2時間以降は1時間ごとに300円
※新春特別拝観中は、特別料金となる。また、毎月21日の弘法市の日は利用不可。
●拝観料
境内は基本的に無料
《通常公開》
【金堂・講堂】大人500円
【観智院】大人500円
《特別公開》
【五重塔初層内部・金堂・講堂】大人800円
【宝物館】大人500円
●開門時間
5:00~17:00(閉門)
●拝観時間
【金堂・講堂】
8:00~17:00(16:30受付終了)
【観智院】
9:00~17:00(16:30受付終了)
【宝物館】※春・秋のみ開館
9:00~17:00(16:30受付終了)
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