季節を問わず予約が殺到、全国から食通のファンが訪れる懐石料理［富小路 やま岸］の新店。これまで［二条 やま岸］では鍋懐石、［蔵がゆ やま岸］では朝のお粥と、新たな展開でファンを楽しませてきたけれど、今回はさらなる〝焼肉〟という新領域へ。カウンターの向こうには店主・山岸隆博さんの実弟、隆二さんが立ち、赤身4種、ホルモン数種類の食べごろを教えてくれる。「私たち兄弟ふたりとも焼肉が大好きで。でも、ただ肉を焼いて食べるだけでは、どこか満たされない日があったんですよ。ならば懐石の流れを汲んだ、自分たちが行きたくなる店をつくろう、と構想を練りました」。

全13品ほどのコースは、サーロインのひと口ユッケからはじまり、本店譲りの肉入り雲丹ドックなど、焼肉パートの前後も出合ったことのない料理のオンパレード。カツオと昆布のダシをもみダレや、しゃぶしゃぶに使うなど、和食の技との融合によって軽快に食べ進めることができる。「サーロインやヒレは、但馬牛系統の田村牛が中心。和牛を食べ比べても、脂の美味しさが格別でした。最高の素材を、最高の状態でお出しして、完食しても胃もたれ知らず。そんな理想の焼肉、いろんな年齢の方に楽しんでいただきたいです」。

店主 山岸 隆二さん
［焼肉やまちゃん］の開店に向け、焼肉の名店として知られる東京の［誇味山］や［炭火焼肉なかはら］にて短期間の修業を経験。和牛の最も美味しい瞬間を届けてくれる