店主の加藤さんはカフェやロースターに勤務した後、運輸会社のドライバー、立ち食いそばのスタッフ、照明店の手伝いなど、さまざまな仕事を経験。いろんな人との出会いを通して、世の中には、コーヒーにこだわりのある人もいるけれど、缶コーヒーで満足する人もいることに改めて気付いたそう。

「自分自身、コーヒーは好きですけど、ものすごくマニアックという訳ではなくて。挨拶したり、ちょっと話したり、人とコミュニケーションする場が好きで、その場に美味しいコーヒーがあればいいなぁと。産地や焙煎の知識がなくても気軽に通える、そんなお店にしたかったんです」と、丁寧な所作でコーヒーを注ぐ。

中深煎り、シングルオリジンといった専門用語はなく、ドリップコーヒー、ミルクコーヒーなどとシンプルな表記が大きめの文字で記されたメニューにも加藤さんの穏やかな人柄が表れているよう。ミツバチの巣という意味を持つ“HIVE”には、今日も老若男女が羽根を休めにやってくる。