
チームラボの常設ミュージアムが京都に誕生が2025年10月7日(火)に京都駅から徒歩7分の場所にオープンしました。
本施設は国内最大級のチームラボの新ミュージアムで、新幹線からもアクセスの良い京都駅エリアに開業するとあって注目が集まっています。今回はそんな話題のスポットで編集部が没入型のアート体験をしてきました。新たなお出かけ先の参考にしてみて。(TEXT・PHOTO/田村実季)
「生命」を意味する「バイオ」と「渦」を意味する「ヴォルテックス」が名前の由来となっている[チームラボ バイオヴォルテックス 京都]のコンセプトは、物質の概念を超越した世界に没入することができるミュージアム。スタイリッシュな建物が迎えてくれます。
入場すると、咲く花が季節によって移り変わる様子を表現した『連続する生と死』という作品に出合います。このアートはリアルタイムで描かれ続けているので、同じ絵をもう二度と見ることはできないのだとか。壁だけではなく床も作品のひとつになっていて、自分が歩いた場所に光のラインが現れる『流れははるか遠くに』という作品が現れます。くるくるとその場で回ると渦巻きが描かれるのが楽しく、何度もその場を行ったり来たりしてしまいました。自分も作品の一部として、そして隣に居合わせた人も作品の一部として、命の連続性を感じることができるのです。
連続する生と死
そんな他者との繋がり、環境との繋がりを感じられる作品は他にもたくさん。通常美術館では、作品と鑑賞者が1対1の関係で、隣に居合わせた人とアートを通して繋がることはあまりありません。しかし[チームラボ]の作品が面白いのは、その場に居合わせた人みんなでアートを作ってしまうというところ。例えば『生と回帰の無常の抽象』と呼ばれる作品では、自分が立った場所に対流が発生し、どんどんとその形を変えていきます。その場にいる人の数によって現れる模様が異なるのが不思議で、私もいろんなところに立って渦を作ってしまいました。
生と回帰の無常の抽象
さらに興味深かったのが、『生命は結晶化したうごめく光』という作品。まるで光が結晶化したように見えるこちらは、実は5mmほどの深さの何の変哲もない水で、光の当たり方によってそこに物体があるように見えるというもの。見る場所を変えたり、立ったりしゃがんだりすると形が変わるのが面白く、隣にいる人から見てもその形は違うように捉えられるそう。作品は環境によって見え方が変わり、自分だけに見える世界があるということを通して、物事への見方を改めて考えさせられる作品となりました。
生命は結晶化したうごめく光
シックな空間にある『内に秘めた輝き』は、たくさんの花が生えては散り、新たな花を咲かせる様子を描いた作品。壁に映し出される花はどれも立体的に見えるのが不思議で、チームラボではこういった鑑賞者の目の錯覚によって生み出される作品もたくさんありました。
内に秘めた輝き
他にも東京の施設で人気の作品から日本未発表の作品まで50点以上展示されています。
『呼応する小宇宙 – 固形化された光』は卵形の物体がたくさん立ち並ぶエリア。手でゆらゆら押して遊ぶうちにどんどんと色が変わっていき、まるで違う作品を見ているような気分になります。
呼応する小宇宙 - 固形化された光
有名な『呼応するランプの森:One Stroke – a Year in the Mountains』では四季をイメージしたカラーが表れ、ピンクは春を表しているとのこと。一つのランプが光ると隣合うランプも点灯し、一筆書きを光が描いています。この一筆書きを三次元で再現するのはかなり難しいことなのだとか。
呼応するランプの森:One Stroke - a Year in the Mountains
また個人的に楽しかったのは、『世界はこんなにもやさしくうつくしい』という作品。上から降りてくる象形文字をタッチすると、その漢字の持つ世界が広がっていきます。「虹」をタッチしたところ、大きな虹が壁一面に広がりテンションが上がりました。この漢字はどんなアートになるのかと気になり、すべての文字を触るのに夢中になってしまいました。
世界はこんなにもやさしくうつくしい
「チームラボって小さい子どもがいても楽しめるの?」と不安な方に朗報です![チームラボ]には大人も子どもも一緒に思いっきり楽しめるような、学びと遊びが融合した作品がたくさん。『あおむしハウスの高速回転跳ね球』は高速で回転しているように見える弾力のあるボールの上を歩くことができます。同じ色を連続して踏むとあおむしが生まれ、蝶となって羽ばたいていきます。意外とバランスを取るのが難しく、大人も転ばないように歩くのに必死です。
あおむしハウスの高速回転跳ね球
また運動の森というエリアでは、こびとが住む世界にスタンプでハシゴをかけたり、直接線を書いたりして画面の中のこびとと一緒に遊ぶことができる作品が。自分の描く世界が作品の中のこびとに影響するのが面白く、こびとが住む世界を自分で変化させる自由さや、ゴールなどを決めずに自由に遊ぶ楽しさなど、それぞれに合った遊び方をすることができます。
こびとが住まうテーブル、こびとが住まう奏でる壁
その他にも自分の描いた魚の絵が壁を泳いだり、凹凸のある山道のような場所を歩いたり、滑り台を滑ったりと体と頭を使って楽しめる作品が盛りだくさん。普段は公園で子どもだけが遊ぶということもあると思いますが、大人もハマってしまうほど楽しいので、親子で一緒に遊べるのが嬉しいポイントだと思いました。
隅々までゆっくり見ると1日では足りないほどのボリューム感で、簡単にすべてを見て回るだけでもあっという間に2時間が経過していました。
もちろん観光ついででも楽しめますが、気づけば時間が経っているほど楽しくて内容も盛りだくさんなので、しっかり時間をとって遊びに行くのがおすすめ。またミュージアム内はかなり暗い場所も多いので、足元は歩きやすい靴で訪れて。泡に触れられる体験もあるので、濡れてしまっても大丈夫な服装をしておくと安心だと思いました。
ただアートとしてその美しさを鑑賞するだけでなく、作品を通して色々なことを学べたり、考えたりできるのも[チームラボ]の面白いポイント。話題の新ミュージアムに家族や友人、カップルでぜひ訪れてみて。
光の球体結晶
■予約方法
チケット購入は[チームラボ バイオヴォルテックス 京都]の公式サイトよりWEB予約が必要
※入場時間を指定しての購入。再入場不可
■料金
入場料/大人3400円〜(18歳以上)、中・高校生2800円(入場時学生証の確認が必要)、子ども1800円(4〜12歳)、障がい者割引1700円〜(同伴者1名まで割引対象)
※大人、障がい者割引については入場日によって価格変動制
※現地にて購入の場合は+200円
※入場時間指定なしのフレキシブルパス 大人・子どもともに1万2000円
■京都駅からのアクセス
<公共交通機関を利用する場合>
各線「京都駅」八条口を出て八条通を東へ進み、河原町通との交差点を右折して南下、1筋目(バス停「河原町八条」あたり)を左折して東へ進む(所要時間約7分)
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