京都市中央市場の目利きあるプロに聞いた 本格ダシの秘訣
美味しい料理の基本は「ダシ」にあり。
特に和食はダシの美味しさで随分と味わいが変わるといいます。
顆粒ダシやパックなども時短で良いのですが、意外と慣れてしまえば本格的なダシを取るのは簡単なこと。
今回は、和食の基本となる美味しい一番ダシの取り方、昆布と鰹についてなど、
市場内にお店を構えるプロからお聞きしました。

京都市中央市場は
食のエキスパート

日々の生活に欠かせない「食」。
やっぱり新鮮で美味しいものを食べたいですよね。
京都で良質な食材が集まっている場所と言えば、1927年に日本初の中央卸売市場として開設された「京都市中央市場」。
新鮮な魚介や旬の野菜・果物といった生鮮食料品はもちろん、乾物などを含む加工食料品も取り扱っています。
市場は普段はプロ御用達の場所ですが、実は月に一度、私たちでも気軽に市場の食材を買える日があるんです。

京都市中央市場は食のエキスパート

誰でも行ける市場Day!
「食彩市」で
良質食材をゲット

毎月1回、第2土曜の朝10時から開催される京都市中央市場市民感謝デー「食彩市」は、料理人や業者が買い付ける新鮮な市場の食材を、一般の私たちが気軽に訪れて買い物ができる日です。
水産仲卸店舗の鮮魚や干物をはじめ、綜合店舗の乾物、さらには飲食店も開店するので、ちょっとした市場の探検も!
食にまつわる季節イベントも同時に開催されるので、楽しみ方も様々です。

誰でも行ける市場Day!「食彩市」で良質食材をゲット
今後の開催予定

2020年

4月11日(土)10:00 - 12:00 ※中止

5月9日(土)10:00 - 12:00 ※中止

6月13日(土)10:00 - 12:00

10月10日(土)10:00 - 12:00

11月14日(土)10:00 - 12:00

12月12日(土)10:00 - 12:00

2021年

1月9日(土)10:00 - 12:00

2月13日(土)10:00 - 12:00

3月13日(土)10:00 - 12:00

※関連店舗の一部は13時まで
※7月〜9月は開催なし
※新型コロナウイルス感染症拡大防止対策として、予定されている食彩市が中止となる可能性があります。お出かけの際は事前に公式HPやSNSなどで開催有無のご確認をお願いいたします

誰でも行ける市場Day!「食彩市」で良質食材をゲット

昆布や鰹はどれがいいの?
その道のプロに聞いてみましょう!

美味しいダシの秘訣

美味しいダシの秘訣

料理を作る上でよく聞くのが「一番ダシ」。
そもそも一番ダシとは、素材から最初に取ったダシのこと。今回は京都市中央市場内の綜合店舗のひとつ、歴史ある「大和屋」の店主に昆布や鰹の話、美味しい一番ダシの取り方について聞きました。

大和屋

京都市中央市場開設とほぼ同じくして創業した乾物の店。
上質の昆布や鰹、椎茸や海苔などをそろえるだけでなく、乾物に関してそれぞれの料理での扱い方やより美味しくなる使い方なども詳しく知ることができる店として重宝されています。
熟練から新米の料理人までに愛されている頼れる一軒です。

美味しいダシの秘訣

店主:高橋弘一さん
現在、暖簾を継承している4代目。
店で販売されているものすべてにおいて知識豊富で、昆布と鰹の美味しいダシの取り方についても、わかりやすく教えてくれます!

美味しいダシの秘訣

大和屋

京都市中央市場開設とほぼ同じくして創業した乾物の店。
上質の昆布や鰹、椎茸や海苔などをそろえるだけでなく、乾物に関してそれぞれの料理での扱い方やより美味しくなる使い方なども詳しく知ることができる店として重宝されています。
熟練から新米の料理人までに愛されている頼れる一軒です。

昆布と鰹の選び方って?
基本に迫る!

昆布と鰹の選び方って?基本に迫る!
昆布と鰹の選び方って?基本に迫る!
WebLeaf編集部
昆布や鰹がいっぱいですね、一番ダシに使うのはどれでしょうか?
髙橋さん
どれでも使えますよ。まずは昆布についてお話しましょうか。基本的に「大和屋」の昆布は、90%以上が北海道産です。北から時計回りに、利尻昆布、網走あたりで羅臼昆布、その南側で厚葉昆布、日高昆布、函館あたりで真昆布、そして、小樽あたりで細目昆布が獲れます。
WebLeaf編集部
北海道だけでそれだけたくさんの昆布があるんですね。
髙橋さん
生育する場所によって銘柄も異なりますからね。一等〜四等級と、育ちによってグレード分けもされているので何種類もあります。うちがメインで扱っているのは、離島の利尻島と礼文島で採れる利尻昆布です。利尻昆布って、京都ではメジャーですが他の地域では幻の昆布で、「いい利尻昆布がほしい」といえば「関西行け」といわれるほどなんです。
昆布と鰹の選び方って?基本に迫る!
WebLeaf編集部
そうなんですか…!では昆布の選び方ってありますか?
髙橋さん
ちゃんとした天然昆布は、真っ黒ではなく少し飴色です。あっさり鰹を立ててダシをとりたかったら利尻昆布。真昆布はなんでも使える万能ダシですね。羅臼昆布は、海鮮系のダシによく使わはりますね。というのは、羅臼昆布自身が甘く濃く主張が強いので、あっさりした料理に使っちゃうと全部羅臼昆布の味になって、縁の下の力持ちにはなってくれない。「オレがオレが」みたいな、いい意味で主張ある昆布なので(笑)。
昆布と鰹の選び方って?基本に迫る!
WebLeaf編集部
鰹節はいかがですか?
髙橋さん
枕崎産と焼津産が有名ですが、うちでは信頼できる地方の小さなメーカーのものを選んでいます。小さいメーカーさんだと、自分とこのブランドで出すので、質が良い。
WebLeaf編集部
そういえば鰹節ってどうやって作られているんですか?
髙橋さん
簡単にいえば、解体して切り分けて、熱湯に浸けて、いぶして。ここまでのものを「荒節」と言います。その後にカビ付けしたものが「枯れ節」です。さらに、天日で干してカビ付けを繰り返したのが「本枯れ節」。ちなみに、ダシ鰹って鰹じゃないんですよ。サバやイワシ、ウルメ、アジで作られたものがあり、一般的な家庭ではこちらを使うことが多いんじゃないかな。
WebLeaf編集部
じゃあ、うどんのダシとか、煮炊きものをするときは?
髙橋さん
鰹じゃないですね(笑)。うどんダシや煮炊きものは、鰹では弱すぎて全然味がのりません。魚って濃さでランクがあって、一番あっさりなのが鰹で、次がサバ、アジで、ウルメとかイワシとかの順です。一般的だと、オールラウンドプレイヤーのサバがおすすめです。
WebLeaf編集部
鰹節の選び方や保存方法ってありますか?
髙橋さん
買いにいくと必ず高い安いがあるはずです。そうしたら少量で、いい値段がついている方を。ワインと同じで高い方が断然美味しいです。保存方法は、とにかく空気を抜いてください。繊維が壊れそうに思いますけど壊れませんのでピシっと。開けたときの鮮度にはほど遠いですけど、やるやらへんでは随分違います。

美味しい一番ダシの
取り方とは?

昆布と鰹の選び方って?基本に迫る!
WebLeaf編集部
それでは本題の一番ダシの取り方について教えてください!
髙橋さん
分量とかは関係なしで基本の方法だけいいますね。まず昆布を固くしぼった布巾で砂やホコリをとって水につけます。できたら前の晩からが良いですが、無理なら30分以上は必ず。特に利尻昆布はつけ時間を少しとってほしいです。つけておくと昆布のいいところだけが水にでてきます。次に弱火(60度くらい)を保ったまま40分ほど煮だします。気を付けてほしいのは、沸騰させずに煮立てること。一般的な雑味のない昆布の出汁をとなると、なるべく60度、せめて70度ぐらいまでの低温が良く、時間をかけてとろ火で出します。
WebLeaf編集部
昆布を取り出すタイミングって、私でもわかるでしょうか?
髙橋さん
もし気になるなら、まず昆布はかじってみてください。 膨らんだ昆布をかじってみて、味が残っているか、ガラになって旨味が出切っているかを感じてみると良いです。
WebLeaf編集部
一番ダシを取るなら、次は鰹節ですか?
髙橋さん
そうです。いったん火を止めて昆布を取り出したら、再び鍋を火にかけ、小さい泡が出てきて沸騰直前までいったところで火を止めます。それで鰹節を入れて沈んだら出来上がりです。コツは、余計な対流を出さないことですね。
WebLeaf編集部
なるほど、基本に忠実に、ですね。早速やってみます!

さらにレベルアップ
したい時は…

昆布と鰹の選び方って?基本に迫る!
昆布と鰹の選び方って?基本に迫る!
WebLeaf編集部
ところで昆布って旬などはあるのですか?
髙橋さん
2年〜3年寝かせて香りが出てきた頃が、使い時で本当の旬ですね。和食の老舗や名店もそうしています。味わいの旬で考えたら、暖かい時期なら利尻昆布のすっきりした味がいいし、寒くなると今度は真昆布や羅臼昆布のちょっと甘みのある昆布が好まれる。最近では昆布をいろいろとブレンドされる方もいらっしゃいます。
WebLeaf編集部
ブレンドですか?
髙橋さん
利尻昆布を前の晩からつけておいて、火入れする時に真昆布をちょっと足す。そしたら、カツオもパーンと立つし、食べた時に最後にすっと真昆布の甘みも出るっていう。両方のええとこどりをする方も増えていますね。
WebLeaf編集部
昆布と鰹節を使いこなせばもっと美味しいダシが取れそうですね!
ありがとうございました。
「天然利尻昆布 礼文島産 3年蔵囲」

WebLeaf編集部の
おすすめはコレ

「天然利尻昆布 礼文島産 3年蔵囲」
一番ダシで、縁の下の力持ちになるのが利尻昆布。ダシが仕上がった時に、鰹節が上がってきて香りが良いそうです。「蔵囲」とは、専用の昆布蔵で寝かされた昆布で、特有の臭みを取り除いて旨味を増した最高級品です。

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「天然利尻昆布 礼文島産 3年蔵囲」

「天然利尻昆布
 礼文島産 3年蔵囲」

一番ダシで、縁の下の力持ちになるのが利尻昆布。ダシが仕上がった時に、鰹節が上がってきて香りが良いそうです。「蔵囲」とは、専用の昆布蔵で寝かされた昆布で、特有の臭みを取り除いて旨味を増した最高級品です。

京都市中央市場内にある綜合店舗一覧

乾物をはじめ、漬物や佃煮の店など、加工食料品を扱っているお店が計10店舗。食彩市ではお店の前に商品がずらりと並び、様々な食料品を購入することができます。

  • 佃煮
    関西佃煮(株)
  • 乾物
    京都昆布販売(有)
  • 乾物・佃煮
    京都中央物産(株)
  • 乾物
    (株)クラセン商店
  • 鳥肉
    (株)食鳥製品商社 鳥長
  • 鳥肉
    (株)鳥米
  • 鳥肉
    (株)鳥政本店
  • 漬物
    (有)丸喜田中商店
  • 鳥卵
    マルイ食品(株)
  • 乾物
    (株)大和屋
  • ※五十音順

写真: 丸喜田中商店

ダシひとつをとっても「食」は
奥深いと改めて認識。

今回ピックアップしたのは昆布や鰹節でしたが、各綜合店舗、そして京都市中央市場には

全国から自慢の食材が集まってきています。

まずは食彩市で、新鮮で美味しい食材に出会ってみてくださいね。

京都市中央市場

TEL 075-323-6777
営業時間 店舗により異なる
定休日 日曜、祝日 ※その他、臨時休場日あり
WEB http://www.kyoto-ichiba.jp/

※こちらのページは「京都市中央市場」スポンサーのもと、公開しております。
※当サイトに記載の内容は2020年3月時点のものとなります。
 そのため、予告なく記載されている事項が変更されることがありますので、予めご了承ください。