『ドグラ・マグラ』夢野久作 著

「ドグラ・マグラ」は夢野久作の代表作にして、トンデモナイ奇書である。探偵小説であり、幻想怪奇小説であり、心理小説でもある。この内容を伝える事はできない。これを読む者は一度は精神に異常をきたすと伝えられる。一大奇書である。さあ、臨め!
僕はこれを高校時代に読みました。青年期を迷える心理状態で読むこの小説はまるで泉のようでした。松本俊夫監督による映画も観てその世界にドップリはまりました。アイデンティティに悩む若い時にこの小説に出合えたのは一つの奇跡でした。輝く迷宮をさまよってください。
『ドグラ・マグラ』夢野久作 著 角川書店/文庫 520円(上)、640円(下)
あらすじ(Books 出版書誌データベースより引用)
精神医学の未開の領域に挑んで、久作一流のドグマをほしいままに駆使しながら、遺伝と夢中遊行病、唯物化学と精神科学の対峙、ライバル学者の闘争、千年前の伝承など、あまりにもりだくさんの趣向で、かえって読者を五里霧中に導いてしまう。それがこの大作の奇妙な魅力であって、千人が読めば千人ほどの感興が湧くにちがいない。探偵小説の枠を無視した空前絶後の奇想小説。