京町家を次世代に継承する[京の温所]
地元・京都の空き家問題や上質な宿泊施設の不足から発想を得て、衣料品メーカーの「ワコール」がオーナーから空き家を借り上げるリノベーションプロジェクト。宿泊施設として10〜15年運営した後にオーナーに返却することで、京町家を次世代に継承することが目的です。これまでに御所南エリアを中心に7軒を展開し、今回「京の温所 竹屋町」を開業しました。
伝統的な景観が色濃く残る竹屋町西洞院東入るに、築130年以上の京町家をリノベーションした「京の温所 竹屋町」がオープン。女性用下着で有名な「ワコール」が2018年から手掛けている、京町家をリノベーションした宿泊施設『京の温所(おんどころ)』の8軒目です。今回の注目は、東京・表参道や京都・嵐山でも人気の[パンとエスプレッソと]の姉妹店にあたるベーカリー&カフェ[本日の]が併設されていること。京都観光はもちろん、地元のおしゃれなカフェに目がない私たちにとっても気になるスポットになっていると聞き、さっそく伺いました。
地元・京都の空き家問題や上質な宿泊施設の不足から発想を得て、衣料品メーカーの「ワコール」がオーナーから空き家を借り上げるリノベーションプロジェクト。宿泊施設として10〜15年運営した後にオーナーに返却することで、京町家を次世代に継承することが目的です。これまでに御所南エリアを中心に7軒を展開し、今回「京の温所 竹屋町」を開業しました。
宿とベーカリー&カフェ[本日の]には、京都ゆかりのアーティストの作品を展示しています。3ヶ月を目処に作品が入れ替わり、オンラインで購入することも可能。この記事を公開した2020年9月は、京都を拠点に活躍する若手作家・川上幸子氏の作品を7、8点展示中。まるで自宅のような宿泊施設なので、利用者が自分でアートを購入した際の参考にもなると好評です。
1階には、町家特有の坪庭を囲むようにベッドルーム、ライブラリー、バスルームが配置。見る場所によって坪庭の表情が少しずつ変わるのも特徴的です。京都・紫野にある家具ブランド[片井意匠]のテーブルとチェアが印象的なライブラリーには、河原町丸太町にある書店[誠光社]がセレクトした約40冊の書籍。ヒノキの香りが漂う広いバスルームには[THREE]のアメニティが用意されています。
2階のキッチンには、ストウブの鍋やバルミューダのトースター、イイホシユミコさんの食器やクチポールのカラトリーが用意されています。憧れの家電や食器の使用感を確かめるのにも良いですね。広いダイニング全体で木の香りが漂い、温かい日が差し込む癒しの空間に。大きな窓からは、[本日の]のパン工房も見え、焼き時間になるとパンが焼ける芳ばしい香りがフワッと部屋にも広がります。
併設するベーカリー&カフェ[本日の]は、店名を逆から読んだ「日本の」をコンセプトに、国内の旬の食材を使ったメニューを提供します。看板メニューは揚げたてで提供する牛カツサンド2,400円。焙煎ほうじ茶アフォガード800円、本日の果実抹茶ラテ750円、抹茶レモネード700円など、こだわりのドリンクにも注目です。
[京の温所]の宿泊者は[本日の]のオープン前の時間帯に貸切状態で、美しい坪庭を眺めながらのんびりと朝食を味わえます。
今回は、塩あん食パン(1斤)1000円、本日のクロックムッシュ480円、幻のハニートースト280円をテイクアウトしていただきました。塩あん食パンは、もっちりと柔らかい食パンにほんのり塩味のあんがピッタリ。本日のクロックムッシュには毎朝契約農家から送られてくる旬の野菜とチーズがたっぷりと入っていました。幻のハニートーストは、100年に一度しか咲かない花から取れる「食べる香水」とも言われる蜂蜜を使用しています。濃厚な香りと味わいがやみつきになり、今まで食べた蜂蜜とは全く違う味わいが口の中に広がりました。
アート鑑賞、料理、縁側で読書など、ゆっくりとした時を京町家で過ごせる「京の温所 竹屋町」と、京都の旬を堪能できるベーカリー&カフェ[本日の]。家族や友人と、ナチュラルで素敵な時間を共有してみてはいかがでしょうか。
※上記は取材時の情報になります。予告なく記載されている事項が変更されることがありますのでご了承ください。
※表示価格は特に断りのあるもの以外、税込価格です。