御食国のめぐみ、若狭おばま食材PRキャンペーン

御食国とは、天皇の御食料を朝廷に納めた国のこと。
若狭国=小浜は、有力国で海産物を中心に「若狭もの」を京都や奈良へ送ったといいます。
そして今、都の食文化を支えた小浜の食材が、京の料理人から注目されています。

写真は巾着網漁法発祥の地といわれ、かつて鯖中心に栄えた漁港「田烏」。現在は、鯖の養殖を行い注目される。

御食国のめぐみ、若狭おばま食材PRキャンペーン

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若狭おばま
御食国のめぐみ再発見の旅

 創業440年以上、鯖街道の街道茶屋が発祥の老舗料亭20代目であり、
京都料理組合の組合長としても知られる園部平八さん。そして、有名ホテルのフレンチで手腕を披露しその名を知らしめ、独立して7年。実は若狭おばま御食国大使でもある、滝本将博さん。お二人の共通点の一つは「御食国とよばれる小浜の食材」。今までに何度も足を運んでいる園部さん、滝本さんが、それぞれ小浜を訪ねました。

まだ「知らない」があった小浜の凄さ

まだ「知らない」があった小浜の凄さ

熱心な生産者の姿勢が語る食の宝庫へ

熱心な生産者の姿勢が語る食の宝庫へ

京は遠ても十八里 小浜と京都を結ぶ鯖街道

京は遠ても十八里 小浜と京都を結ぶ鯖街道

まだ「知らない」があった
小浜の凄さ

 今回の旅は、定置網漁から始まった。小浜の宇久地区で、毎朝網上げを行う網上げ船「うらたに丸」に朝4時頃から乗り込み、海の男たちが寡黙に網を上げ下ろし、1時間30分かけて一定の場所に追い込んでいく様子を見守る園部さん。 「阿吽の呼吸ですよ。何も言わずとも息が合っている。 浦谷さんは、長年の経験で高波など自然の状況を考えて、網が破れないよう、また、漁師の安全を考えながら漁を行っている、凄いね」と感慨深げ。 その後は、福井県漁業協同組合連合会小浜支所での活気ある競りへ。

「珍しい」と鰹を見る園部さんは、さすが料理人の目利きを見せる。その後、かつて鯖が大量に水揚げされたという田烏地区へ。 2016年からはじまった鯖の養殖を観察し、鯖のなれずし作りについて民宿「佐助」の森下さんから話を聞く。 「1年かけて鯖のへしこを作り、塩出しをしてご飯と麹で漬け込む郷土料理。各家庭で味が違うと聞くが、こんなにおいしいものはない。日本酒に合いますね」と、箸を運ぶ園部さんから笑みがこぼれる。

京は遠ても十八里 小浜と京都を結ぶ鯖街道

宇久定置網有限会社の浦谷さんから、水揚げした魚について聞く園部さん。季節によって変わるが、この時は鰆やイカ、太刀魚など。釣った獲れたてを、網元料理が人気の旅館「うらたに」で味わえる

 今度は、山間部の宮川地区へ。化学合成農薬や化学肥料を極力抑えた特別栽培米コシヒカリなど、さまざまなブランド米を栽培する地域だが、2017年春には小浜の特産品の一つ「越のルビー(ミディトマト)」を栽培する大規模な園芸ハウスが完成。「安定供給が出来ることは大事なこと。大好きだからと、株式会社若狭の恵の前野さんがはじめたトマト作りは、ますます小浜のミディトマトを有名にしそうですね。和食でも使えそうです」と言う。

 今回の小浜旅では古い町並みも訪ねた園部さんは「若狭ぐじ、若狭ガレイなど水産物は間違いがない小浜。農作物、郷土料理も豊富なのは、さすが御食国だと実感しました。驚いたのは三丁町と呼ばれる茶屋町。国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されている小浜西組は知りませんでした。おいしいものの宝庫で、残すべきもの受け継ぐべきものがある、それが小浜です」。

様々な場所を訪ね歩き、食材に触れ、生産者と対話する園部さん。曰く「古くから知る小浜商工会議所の上野会頭と市長で、御食国であった小浜の良さを引き出し、京都への架け橋になっていただけたらと思います」

園部平八

園部平八(写真右)

老舗料理店の20代目主人として活躍し、
約100年間の川魚料理専門店から店の歴史も考えて若狭ぐじ(甘鯛)を使う若狭懐石を仕立てメニューに加えた、先見の明を持つ料理人。現在は会長。平成28年には国(厚生労働省)より卓越した技能者(通称・現代の名工)受賞。写真は同日、小浜市長の松崎晃治さん(左)を訪問した際の2人。

山ばな 平八茶屋

山ばな 平八茶屋

山ばな 平八茶屋

山ばな 平八茶屋

約440年前の天正年間に、初代平八が街道茶屋として開店。現在は21代平八が暖簾を継ぐ料亭は、川魚料理に若狭懐石、また、冬の鍋料理など季節毎のメニューがあり、壬生狂言の演目『山端とろろ』でも知られる、麦めしとろろ汁が名物。昼2916円~、夜1万800円(サ別)~。かま風呂のある旅館でもある。

京都府京都市左京区山端川岸町8-1
tel.075-781-5008

熱心な生産者の
姿勢が語る食の宝庫へ

 久しぶりに訪れた小浜で「どんな食材に会えるのか楽しみ」と話す滝本さんは、まず宇久地区の定置網漁を体感し、冬の荒波で漁を行う人々の姿に「命がけですね」と一言。
血抜きといった魚の船上処理など細かい作業を含め生産者の大変さに、料理人として素材を大切にしてきたことを改めて当たり前に思ったという。
 次に農作物の現場へ。新規就農研修生の受け入れも行う生守地区の「山本農園」で、トマトとキュウリの栽培を拝見。
「例えばキュウリ。香りがあって味のあるツルも、料理をする時に使えます。実の部分とともにストーリーのある小浜の一皿ができますね」と、滝本さん。
また、ここにしかない農産物として国からGⅠに登録されている谷田部ねぎの畑では、生産者の池田さんの話を聞き「鯖街道で京都へ来て、帰る時に京のものとして持ち帰ったのか。九条ネギがルーツだというのが面白い。しかし、植え替えをして、斜めに植えるという面倒な栽培方法。独特の粘りと甘みがあるネギを、生産量は減っても途絶えさせないで欲しい」と語る。

熱心な生産者の姿勢が語る食の宝庫へ

田烏地区で鯖の養殖に取り組む浜家さんを訪ねる。滝本さんは、十数年前においしいカニを探すために小浜の競り場を訪れたことをきっかけに若狭おばま御食国大使に就任。漁師の方から学ぶことが多いと話す

 その後、再び海へ。滝本さん曰く、名前は知っていても注目をしていなかった若狭がき養殖場の仏谷地区へ行き、さらに、田烏地区にある鯖の養殖場へ。
「静かな小浜湾が育む若狭がきは、出荷時期の2月頃が楽しみ。養殖の鯖・小浜鯖は、天然ものと違い青背特有のアニサキス(回虫)がいないから刺身で食べられて、なかなかおいしかった。養殖をする浜家さんがオーイと呼びかけると鯖たちが水面へくるのは、まるで子どものようでしたね」と話す。
 「小浜の食材=京都ですよ。そもそも御食国としての小浜がなかったら京都の和食文化は生まれなかったかもしれない。
途中立ち寄った、鯖のなれずし生産者の山下さん、手作りチーズ工房ラ・ヴェリタの杉崎さんの話を聞いても、生産者たちが地元のものを自分たちで何とかしていこうという心意気がある。
生産者の人々に僕らは何か返せているかな。料理で返していくしかないですね」。

京は遠ても十八里 小浜と京都を結ぶ鯖街道

滝本将博

滝本将博

京都のレストランを経験後、ミシュラン三ツ星パリの名店「アルページュ」をはじめフランスやスイスで約4年の修業を積み帰国。御所西の有名ホテルへ。2008年の世界料理オリンピックでは、日本代表キャプテンとして銀&銅メダルを受賞。2011年独立し現在に至る。

La Biographie・・・

La Biographie・・・

元呉服屋の一軒家をリノベーション。パリの名店で火入れの魔術師と呼ばれたアラン・パッサールに師事し受け継いだ技術や、有名ホテルのフレンチレストランをミシュランに導いた手腕による、シェフ滝本視点のガストロノミー。
デジュネ(昼)7,020円(サ別)~、ディネ(夜)16,200円(サ別)~

京都市中京区衣棚通御池下ル長浜町152
tel.075-231-1669

Map

< WAKASA OBAMA COUUMN >

京は遠ても十八里
小浜と京都を結ぶ鯖街道

その昔、若狭湾一帯の中心都市だった小浜。古代から志摩や淡路と並ぶ「御食国」として知られ、食における重要な役割をはたしてきた。その歴史は「鯖街道」を生む。現在の小浜のいづみ町商店街あたりの起点から、京都の出町橋あたりの終点までの古道を指す。小浜では「京は遠ても十八里(約72km)」という合言葉があり、「京都は遠いといわれても近い」という思いが伝わる。ひと塩して若狭湾から運ばれてきた生の鯖が、丸一日かけてちょうどいい塩具合になり、海のない盆地の京都ではご馳走として重宝されたというから、冬ならば命がけであったであろう行商人たちは、苦労しただけの価値があると往来していたのかもしれない。

 かつてその小浜の鯖でつくられた鯖寿司は、今でも京都の祭で欠かせない存在。また、若狭ぐじや若狭がれいといった「若狭もの」は錦市場で珍重される。最近は、小浜の郷土料理の一つ鯖のへしこなどが京都の飲食店で提供されるといった食文化の往来が今も多数あり、京都にとって小浜の食材は今も重要な役割をはたしているといえる。

その昔、若狭湾一帯の中心都市だった小浜。古代から志摩や淡路と並ぶ「御食国」として知られ、食における重要な役割をはたしてきた。その歴史は「鯖街道」を生む。現在の小浜のいづみ町商店街あたりの起点から、京都の出町橋あたりの終点までの古道を指す。小浜では「京は遠ても十八里(約72km)」という合言葉があり、「京都は遠いといわれても近い」という思いが伝わる。ひと塩して若狭湾から運ばれてきた生の鯖が、丸一日かけてちょうどいい塩具合になり、海のない盆地の京都ではご馳走として重宝されたというから、冬ならば命がけであったであろう行商人たちは、苦労しただけの価値があると往来していたのかもしれない。

 かつてその小浜の鯖でつくられた鯖寿司は、今でも京都の祭で欠かせない存在。また、若狭ぐじや若狭がれいといった「若狭もの」は錦市場で珍重される。最近は、小浜の郷土料理の一つ鯖のへしこなどが京都の飲食店で提供されるといった食文化の往来が今も多数あり、京都にとって小浜の食材は今も重要な役割をはたしているといえる。

鯖街道で育まれた伝統の味

鯖寿司 さばずし

鯖寿司 さばずし

冷蔵技術のなかった時代、若狭で水揚げされた鯖は、保存のため塩漬けにして京都まで運ばれた。その鯖を酢で締めて酢飯と合わせたのが鯖寿司。江戸時代の頃に京都で生まれ、若狭地方や鯖街道沿い地域に広まったという。

 

へしこ

へしこ

若狭地方や京都・丹後半島で保存食として作られてきた魚の糠漬け。なかでも鯖のへしこは、若狭の特産品として知られる。そのままスライスして酒肴にしたり、軽く焼いてお茶漬にしたりとアレンジ次第で幅広く楽しめる。

若狭小浜小鯛ささ漬が、国からGIに登録されました!

若狭小浜小鯛ささ漬は、小鯛を三枚におろして樽詰め等にした加工品。 適度な塩気と酸味が小鯛の旨味を引き立てている逸品です。

鯖街道を“知る”スポット

御食国若狭おばま食文化館

御食国若狭おばま食文化館

豊富な海・山の幸に恵まれ、御食国として古くからの歴史を持つ、小浜の食文化に触れられる文化施設。多彩なテーマを扱う展示、若狭の食材を使う調理・加工体験などを行なう。市内観光に役立つマップなども設置。

Map

若狭鯖街道熊川宿

若狭鯖街道熊川宿

鯖街道の道中、近江との国境にあたる要所として栄えた宿場町。「前川」と呼ばれる水路が流れる街道沿いには、江戸時代初期から中期にかけて200戸を超える家屋が建ち並んだと伝わり、現在も当時の町並みが残る。

Map

御食国(みけつくに)とは

海産物や塩など、天皇の御食料「御贄(みにえ)」を納めた国々のこと。
奈良の平城宮跡から発見された当時の木簡から御贄を送付したとされる荷札が発見され、平安時代編纂の「延喜式」に御贄を納める国の一つとして名前が記されていることから、若狭(小浜)が朝廷と結びついていた事実が伺える。

御食国のめぐみ、若狭おばま食材PRキャンペーン

若狭おばまみけつくに御食国のめぐみ再発見の旅

2018年1月5日(金)〜1月31日(水)の期間中、小浜にゆかりのある京都の人気店10店舗で、福井県小浜産の食材を使用した限定メニューが楽しめる、グルメイベントを開催します。期間中に対象メニューをオーダーし、簡単なアンケートにお答えいただいた方の中から抽選で「小浜の特産品」が当たるチャンスも。ぜひお店で、ご家庭で小浜の食材のおいしさをご堪能下さい。

 

※こちらのページは「御食国のめぐみ、若狭おばま食材PRキャンペーン事務局」のスポンサーのもと、公開しております。
※当サイトに記載の内容は2017年12月時点のものとなります。そのため、予告なく記載されている事項が変更されることがありますので、予めご了承ください。
※表示価格は特に断りのあるもの以外、税込価格です。