『線は、僕を描く』砥上裕將 著
水墨画の巨匠・篠田湖山に見出された大学生・青山霜介。湖山の孫である千瑛などの弟子たちと水墨画を学ぶ日々の中で、過去にとらわれた霜介の人生に光が差していく。
水墨画という芸術の世界にどっぷりとひたることができます。一つの芸術を極めた人間の言葉は深みがありながらも、どこかなじみやすいものです。高校生や大学生、ご老人まで、その言葉には気付きがあると思います。最後まで読み終えるのが寂しく思える物語です。
『線は、僕を描く』砥上裕將 著 講談社/1500円(税別)
あらすじ(公式サイトより引用)
青春×水墨画! それは、“白”と“黒”で“宇宙”を描く芸術。墨と筆を道連れに、傷だらけの少年は、生命を取り戻す旅に出る。前代未聞の本格水墨画漫画!
『SPY×FAMILY スパイファミリー』遠藤達哉 著
数多の任務を達成する凄腕スパイの主人公・黄昏の次の任務は世界の平和を脅かす危険人物の動向を探ることだった。また、「妻は暗殺者」「娘は心を読む超能力者」とそれぞれに秘密がー。互いに正体を隠しながら受験と世界の平和の危機に立ち向かう日々を描いたホームコメディです。
アクションシーンの爽快感からスパイアクションものと思わせながら、その実ホームコメディとして笑いを誘い、仮初の家族関係でありながら「親子・家族」のつながりにグッとくる瞬間があったりと、マンガとしての楽しさ面白さが感じられ、続きが早く読みたくなる作品です。
『SPY×FAMILY スパイファミリー』遠藤達哉 著 集英社/480円(税別)
あらすじ(公式サイトより引用)
名門校潜入のために「家族」を作れと命じられた凄腕スパイの〈黄昏〉。だが、彼が出会った“娘”は心を読む超能力者! “妻”は暗殺者で!? 互いに正体を隠した仮初め家族が、受験と世界の危機に立ち向かう痛快ホームコメディ!!
『A子さんの恋人』近藤聡乃 著
A子さんには恋人が2人いて・・・。7年付き合った末、ちゃんと別れ切ることができないA太郎と、アメリカに残してきた現在進行形のA君。一見とりえの無いように見える優柔不断なA子が2人の間を彷徨い続ける、共感できるようなできないような、とても身近な物語。
練られた伏線回収、もがきながらも答えを紡ぎだそうとする人間の心理描写、愛くるしいキャラクター達の存在感。ドラマチックかつ非日常設定の名作は数知れず、平凡な設定なのに最高に上質な映画を観たかのようなこの満足感はなかなか味わえない。作者の頭脳と絵の上手さにひたすら脱帽。
『A子さんの恋人』近藤聡乃 著 KADOKAWA(エンターブレイン)660円(税別)
あらすじ(公式サイトより引用)
29歳――半人前の大人たちが繰り広げる、問題だらけの恋愛模様。