何が有名…?とは言わせない!京都を飛び出して知られざる魅力溢れる徳島へ行ってみた!【後編】
- 2018/11/14(水)
- 京都から旅へ
みなさん、こんにちは。前回に引き続き、WebLeafスタッフ初めての徳島旅の続編です!
後編の舞台は徳島県名西郡神山町。
この神山町、いわゆる田舎の町なのですが、近年移住者が増加し、地方創生や地域活性化に携わる人の間では有名な町なのです。みなさんはご存知でしょうか??
なぜ有名なのか、なぜ人が集まるのか、その秘密も調査して行きたいと思います!
■徳島市内からは40〜50分で到着
神山町へのアクセスは車かバス。徳島市内からは40〜50分ほどで到着します。
バスの本数は少なめなので、できれば車で回るのがおすすめ。自然の中のドライブは気持ちいいですよ!
〈神山町の秘密その1〉
移住者が作り出す新しい味
神山町は現在のように地方創生が叫ばれる前から、地域の課題に取り組んできました。活動が注目されるきっかけになったのが、1999年から始めたアーティスト・イン・レジデンス。これは芸術家を招待し、数ヶ月間の滞在の中で作品を制作するというものです。
制作期間を通じて地元の方とアーティストの交流が深まり、中には神山町の魅力に惹かれて、移住する人も。
そんなアーティスト・イン・レジデンスの活動から移住を決意し、新たにお店を開いたのがスウィーニーさん・さやかさん夫妻。町の人々の協力もあり、2018年の7月にブルワリー[KAMIYAMA BEER]をオープン!
お店の壁の絵はさやかさんの作品。
芸術家ってすごいですね・・・
1階に醸造室があり、ここでビールが作られています。
神山町の美味しい水を仕込み水として使用しているそう
ビールの種類は5種類。(※2018年10月現在)
このラベルもさやかさんのデザインです
試飲してみたところ、フルーティーなビールや黒ビールなど、種類によって味や香りが異なりましたが、共通して言えるのは、全て美味しい・・ということ。原料にも神山町の在来種小麦が使われているビールもあり、地元への愛を感じます。
自然の中で飲むビール!最高!
ここで購入して、夜に宿で飲むなんていうのもおすすめです。ちなみに[KAMIYAMA BEER]以外の神山町のお店でも売っていることが多いので、見かけたらぜひ手にとってみてくださいね。
ビールに続いて紹介したいのは、こちらも移住者の方が営むピザ屋さん[Yusan Pizza]!
築100年以上の古民家を改装されたそう
店主の塩田夫妻も、野菜の本当の美味しさを伝えたいという思いから縁あって神山町への移住を決めた方。
神山町産の薪を使って焼き上げます
なるべく神山町で採れた野菜を使って作られたピザは、表面はカリッと、でも生地自体はもちもちとしていて、具材が引き立つ味わい。
定番のピザと季節の野菜を使ったピザが並びます
徳島の名産・すだちを使ったピザには、上からすだちの皮を削ってかけていただきます!
香りが素晴らしい・・・
神山町ならではの味に贅沢だなあ・・と感じた昼食でした。
〈神山町の秘密その2〉
想いを繋げる杉の器
続いてやってきたのは[SHIZQ Gallery Shop]。
古民家を改修して作られたお店兼オフィス
こちらで購入できるのは世界にふたつとない“杉の器”です。
杉から作られているとは思えない・・!
この杉の器の誕生の裏には、神山町の自然環境にまつわるエピソードがあるんです。
神山町の真ん中を東西に流れる鮎喰川。その水量が30年前に比べ約3分の1になっているという現状があります。その原因は、戦後に植林された杉の人工林が増えすぎて、土壌が痩せてしまい山の保水力が低下したこと。このまま放置すると数十年後、数百年後にはどうなってしまうのか…
そこで、密集した杉を間伐して山の保水力を高めるために、杉の新たな活用法を見出そうと始まったのが「神山しずくプロジェクト」でした。
神山町にサテライトオフィスを開設していたキネトスコープ社の廣瀬さんが中心となり、“神山杉をデザインする”ことをテーマに活動、そして生まれたのが“杉の器”だったそう。
杉のブロックを熟練のロクロ職人が丁寧に削っていき、この美しい形になります。
段々と形になっていく様子を説明してくださいました
実際に手にとってみると、驚くほど軽い!そして木の香りと滑らかな口当たりが素晴らしいんです。おばあちゃんへのプレゼントにしたいなあ…なんて考えながら説明を聞いていました。
そしてこちらでは新たな職人の育成のため、木工所も開設されたそうで、そこでは“バードコールづくり”を体験することができました!(要予約)
[SHIZQ Gallery Shop]から車で2〜3分の所にある[SHIZQ LAB]
バードコールは、小さな木のブロックにネジを差し込み、ネジを回すと鳥の鳴き声のような音がなる道具です。
中学生ぶりの木工体験にワクワク
1:細長い木の表面を削り、凹凸をつけて模様をつけて
2:細長い木を適度な大きさのところでカット、小さな木のブロックにします
教えてくださった藤本さん
3:上にネジを入れる穴を開けて、ヤスリで磨けば完成!
首から下げて、このネジを回すと音がするんです
せっかくバードコールを作ったので、鳥たちと会話しに[上一宮大粟神社]へ。
マイナスイオン浴びまくりました
実際に鳥からの返事も聞けて、日々の疲れが吹っ飛んだ瞬間でした。
〈神山町の秘密その3〉
これからの時代は仕事場も自分で選びたい!
最後に紹介するのは、神山町を有名にしたサテライトオフィスの話。先ほどの「しずくプロジェクト」を始めたキネトスコープ社のご紹介部分でもちらっと出てきましたが、ネット環境が大充実している神山町には、続々と企業のサテライトオフィスが誕生しているのです。
なぜこんな自然の中でネット環境が充実しているかというと、数年前のテレビの地上デジタル放送への切り替えの時、徳島県が「全県CATV網構想」を打ち出し、山間部の町・神山町にも光ファイバー網が整備されたから。
それ以降、大自然の中でパソコンを使っている写真などが有名になり、都会ではなく自然豊かな環境での方が働きやすいというベンチャー企業が続々と神山町に集結しました。
環境を変えて仕事したいけど、サテライトオフィスを開くのは難しい・・という方におすすめなのが、滞在型の施設[WEEK神山]。
キャッチコピーはSTAY&WORK
上の写真に写っているのが宿泊棟で、部屋は全8室あります。
部屋は全てリバービュー!
朝日を浴びながら、川が流れる音と鳥のさえずりで起きる朝。なんと幸せなんでしょうか・・・。
そしてこちらが食事などをする母屋。
こちらも古民家を改修した建物です
食事のほか、打ち合わせ場所や仕事場としても使えるようにプロジェクターなども完備されています。
おしゃれな室内・・!
この[WEEK神山]を運営するのもほとんどが移住者の方。神山の暮らしに魅せられた人々が、“仕事場”や“暮らしの場”として滞在型の施設をオープンさせました。
ちなみにこちらがいただいた夜ご飯。
イタリアンのコース
大阪や京都で腕を磨いたシェフが、神山町の野菜や徳島県内でとれた鹿肉などを使って調理してくれます。
鹿肉も臭みが全くなく、旨味たっぷり。大満足のコース料理でした。
ネットが発達して働き方も多様化している現代、たまには場所を変えて自然の中で仕事をしてみるというのも、おもしろいですよね。
もちろん、旅行者の方の宿泊もOKです!
■その他にも魅力溢れる場所がたくさん
今回は紹介できませんでしたが、神山町には温泉宿や農家民宿などもあり、宿泊したい方も安心。
>>[神山温泉 ホテル四季の里&いやしの湯][農家民宿 作良家]の詳細はこちら
普通の旅行とは少し違う感覚かもしれませんが、エネルギーをひしひしと感じる町・神山町。自然のなかに現れる新しいスポットは、違和感を感じると同時に、その違和感がおもしろさに繋がっているのだと思いました。移住者の方だけでなく、地元の方も一緒になって町を作っていっている様子が伺えて、温かい気持ちにもなりました。
さて、前編:徳島市周辺、後編:神山町と2回に渡ってお届けしてきましたが、いかがだったでしょうか。
詳しい店の情報などは特集からチェックできます!
>>特集:京都からちょっと旅へ vol.6 徳島県・神山町も一緒にチェック!
魅力たっぷりの徳島県、ぜひ注目してみてくださいね♪