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2023.7.7
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4年ぶりに本来の姿で開催!京都・祇園祭の見どころを紹介

[2023]4年ぶりに本来の姿で開催!京都・祇園祭の見どころを紹介

暑さも本格的になる7月を迎えると、街中で聞こえてくるコンチキチンの音色。1ヶ月に渡り開催される京都の夏の風物詩『祇園祭』について、今さら聞けない由来や押さえておきたい神事、見逃せないハイライトシーンなど見どころを紹介します。

1.辿ってきた受難と復興の歴史、2023年の日程

祇園祭

[八坂神社]の祭礼である祇園祭は疫神怨霊を鎮める「祇園御霊会」が起源で、869(貞観11)年、全国に流行した疫病の退散を祈願して、当時の国の数である66本の矛を立てて祀ったのが始まり。970(天禄元)年以降、毎年の行事となり平安末期にかけて祭はいっそう賑やかに。室町時代には現在のような山鉾が出現し、15世紀中頃には現在とほとんど変わらぬ姿で巡行を行ったとされる。

応仁の乱(1467~1477年)では、京都の町とともに山鉾もほとんどが焼き尽くされてしまうが、1500(明応9)年に町衆が力を合わせて山鉾を復興。その後も歴史の動乱の中で度々大火災に遭い、山鉾町も山鉾も甚大な被害を受けながらも、その度に町衆の熱意と努力により復興されてきた。

祇園祭

くじ改め

7月1日の吉符入りで幕を開け、31日まで1ヶ月に渡り多くの祭事が行われる。2日には山鉾巡行の順番を決めるくじ取り式が行われ、10日から前祭の鉾建てが始まり、23基の山鉾が各所に登場。14日から16日の宵山期間を経て、17日に山鉾巡行。その翌日の18日から後祭に向けての鉾建てが始まり、21日〜23日の宵山期間の後、24日に山鉾巡行が行われる。17日と24日に行われる山鉾巡行は、神輿渡御に伴う露払いの位置づけで行われ、神輿が[八坂神社]と御旅所を渡御する神幸祭・還幸祭や合わせて繰り広げられる花傘巡行も見どころ。

2023年の祇園祭

  • 日程/7月1日(土)~31日(月)
    前祭/宵山 7月14日(金)~16日(日)、山鉾巡行 7月17日(月・祝)
    後祭/宵山 7月21日(金)~23日(日)、山鉾巡行 7月24日(月)

2.花形シーンがいっぱいの山鉾巡行、個性的な山鉾の形に注目

祇園祭

長刀鉾巡行の様子

祇園祭のメインイベントとなる山鉾巡行。前祭は17日9時、長刀鉾を先頭に23基の山鉾が四条烏丸を出発。四条通り、河原町通り、御池通り、新町通りを巡行する。後祭は24日9時半に11基が烏丸御池を出発し、前祭とは逆向きのコースを進む。

祇園祭

注連縄切り

山鉾巡行の人気の場面のひとつである注連縄切りは、長刀鉾が四条麩屋町を通過する際に稚児が太刀で縄を切り落とす儀式。古来、神域の境界を示す斎竹に張られた注連縄を切り落とし、これを合図に山鉾が神域に進むしきたりがあった。建立は高橋町の奉仕により行なわれてきたが、昭和31年の巡行路の変更を機に、長刀鉾の稚児が注連縄を切り落とし、結界を解き放つ習慣が始まった。

また、交差点で車輪の下に竹を敷いて巨大な山鉾の向きを90度変える辻回しも巡行のハイライトとして知られる。

祇園祭

祇園囃子

「コンチキチン」と呼ばれ親しまれている祇園囃子は、室町末期には能楽の影響のもとに成立。江戸時代に優雅に洗練され今日の様式が完成した。鉦・太鼓・笛で奏でられる祇園囃子は巡行中も山鉾の上で囃され、絶えず風流な音色を聞くことができる。

祇園祭

鯉山巡行の様子

多様な山鉾があるが、その由来は御霊会起源の鉾をそのまま祀る長刀鉾や花傘風流ものを除くと、和漢の故事や説話によるものとに大別することができる。例えば天神、八幡、観音、聖徳太子を載せた舁山や曳山群、函谷、鶏、郭巨、白楽天、孟宗等、中国渡来の説話によるものや、岩戸、船、占出、保昌、橋弁慶等、日本由来の伝承をめぐるもの、また、芦刈、木賊、黒主等、謡曲取材のものなど。

古くからの歴史文化を映す山鉾の造形美に注目しながら巡行観覧を楽しんで。

3.心ときめく宵山期間、手に入れたい特別なお守り

祇園祭

宵山の様子

古来は日没とともに一日が始まるとされ、祭の一日は前日の夜から既に始まっていると考えられていたことが宵山の所以。宵山は、各山鉾町の駒形提灯に灯がともり、山鉾からは祇園囃子が流れ、また町会所などには山鉾の人形・織物・金具などが美しく飾られ、お守りを売る浴衣姿の子供どもたちの童歌が聞こえてくる風情溢れる期間。前祭は14日〜16日、後祭は21日〜23日にかけて宵山を楽しむことができる。

祇園祭

ちまき

周辺の飲食店などでこの期間だけの限定グルメが提供されたり、夜間に歩行者天国となる道路の露店を練り歩いたりと祭気分がグッと高まる宵山。

[八坂神社]や各山鉾では、それぞれのご神体にちなんだご利益がある授与品を手に入れられることをご存知だろうか。中でも代表的な授与品であるちまきは厄除けのお守り。その由来は、八坂神社の主祭神である素戔嗚尊が旅をしたとき、貧しいながらも宿を提供してもてなしてくれた蘇民将来に感謝し、「蘇民将来子孫也」と書かれた護符により子孫まで厄を祓うと約束した説話から。このとき護符となった茅の輪が、「茅」を束ねて「巻」いたものであったことから「茅巻(ちまき)」と呼ばれ、粽のお守りが作られるように。粽は現在も京都近郊の人々により手作りされている。

宵山期間は鉾や山に実際に乗ることができる町もあるので合わせて楽しんで。

4.神幸祭・還幸祭の神輿渡御、圧巻の「三社揃い踏み」は必見

祇園祭のクライマックスとも言える神幸祭、還幸祭で登場するのが3基の御神輿。中御座・東御座・西御座と呼ばれ、それぞれ六角・四角・八角と特徴ある形をしている。主祭神「素戔嗚尊」を奉斎する神輿は中御座で、屋根には鳳凰をいただく。

祇園祭

神輿洗

中御座の神輿を四条大橋まで運び、鴨川の水で清める「神輿洗」は、10日と28日の夜に行なわれる。18時に神輿洗奉告祭があり、続いて大松明による「道しらべの儀」ののち、中御座の前後を松明で照らし南楼門より出発し、鴨川四条大橋の上まで行き神輿を祓い清める。

祇園祭

お迎え提灯

10日の神輿洗式の神輿をお迎えする行列をお迎え提灯と呼ぶ。江戸時代、南座や北座等四条大橋付近に集まっていた芝居小屋の芸人や役者が、趣向を凝らした提灯に火を入れ、鳴物入りで神輿洗の神輿をお迎えしていたことが始まり。永年中断していたが、昭和27年、祇園万灯会により復活された。

祇園祭

神幸祭・還幸祭

17日の山鉾巡行の後、[八坂神社]から3基の神輿を四条寺町の御旅所に渡御する神幸祭。16時の神幸祭祭典終了後、石段下で出発を待つ3基の神輿が見せる三社揃い踏みは神幸祭最大の見どころ。「ほいっと!ほいっと!」の掛け声で、それぞれの神輿が高々と担ぎあげられる差し上げと回転させる差し回しが行われ、担ぎ手の熱気と迫力を感じることができる。18時に出発した神輿は、氏子地域を独自のルートで巡行し、四条寺町の御旅所に着輿。24日に行われる還幸祭までの7日間奉安され、誰とも言葉を交わすことなく七夜お参りすると願いが叶うと言われている。24日17時頃にまたそれぞれのルートで巡行し、深夜に神社に渡御する神事を還幸祭といい、帰社後は還幸祭の祭典が行われる。

祇園祭

花傘巡行

花傘10基余りに馬長稚児・児武者・各種芸能や花街の舞踊等が列を整え、24日の9時に下京中学校成徳学舎を出発する花傘巡行。烏丸通りを通過し、四条通りから御旅所を経て八坂神社に戻る。神社に帰社後境内で芸能・舞踊を奉納する。

5.他にも見どころがたくさん!押さえておきたい注目の神事

【吉符入り】
神事始めの意味で、7月1日午前中に行なわれる。このしきたりは江戸時代に始まり、役人、神社関係、山鉾町それぞれの分野で儀式が執行されていた。今日、各山鉾町では、町内関係者が町会所などに集まって祭の無事を祈るほか、この年の祭当番(役員)を選ぶとともに祭に関する諸打ち合わせを行う。

【くじ取り式】
巡行する山鉾の順番をくじによって決定する式で、2日に京都市長立会いのもと、京都市会議場で行なわれる。この儀式は応仁の乱後、山鉾巡行が再開されたとされる明応9年(1500)、巡行の先陣争いを避けるために始められた。なお、巡行順が定められている長刀鉾をはじめとする10基の山鉾はくじ取らずと称する。

また、同様に古式にのっとり荘重に行われるのがくじ改め。京都市長が奉行役となって、くじ札の順番を読み上げて誤りのないことを確認する重要な儀式。

祇園祭

月鉾の山鉾建て

【山鉾建て】
前祭では10日〜14日、後祭は18日〜21日の間に行なう。分解収納されていた鉾の組み上げは3日がかりで行われ、組み立てには釘を一切使わず伝統的な縄締めの技法で組み立てられる。舁山の組み立てについては、鉾・曳山の曳初めが終わる頃から各山鉾町で始まる。

祇園祭

曳き初め

【曳き初め】
山鉾建ての完成後、巡行当日と同じ盛装で音頭取、囃子方が乗り込み試し曳きする祭事。この時だけは女性や子供も曳き手になることができ、綱を引くと一年間の厄除けになるといわれる。前祭の曳き初めは、函谷鉾が12日の12時、鶏鉾が14時半、月鉾・菊水鉾が15時、長刀鉾が15時半から、放下鉾・船鉾・岩戸山は13日の15時から行なわれ、後祭の北観音山・南観音山・大船鉾は20日15時から行われる。

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